二十話 疑 ページ21
灰となって消えた鬼の女をAは一瞥すると宇髄の方を見た
「もっと早く来てくれたら良かったのに」
「阿呆、生きてるかもしれない人間を探し出すには住処まで誘導させる必要があるんだよ」
「どうせ誰も生きてなんかいないよ。あんたも気づいている筈だろ。この屋敷に入った瞬間に漂った濃い血の匂いに」
「僅かな可能性があるなら行動するもんだ。まぁでも今回はこれで良かったのかもな。一瞬だけ屋敷内を見回ったが全て年端のいかない子供の死体でおまけに両目もくり抜かれているとなれば死んだ方がマシだ」
幼い子供を自分の欲のまま殺した鬼に宇髄は静かに怒った。Aは他人事の様に宇髄を見る
数秒を物思いに耽った宇髄は思い出した様にAに隊服を渡すと着替えろと示唆した
「刀は?」
着替え終わったAは刀を渡されていないことに気がき宇髄に問うが宇髄は刀を渡す素振りは見せずAが着替え終わったのを確認すると屋敷の入口へと足を進めた
「待って、刀返して?」
それをAは止めた
刀は宇髄の腰にしっかりと刺さっている
宇髄はAをチラリと一瞥する。しかし刀を渡そうとはしない
「俺の大事な物なの。早く返してよ」
「これもお前が言う師匠の刀か?」
黒死牟から与えられた刀はボロくは無く綺麗だがやはりどこか年季が入っているようにも見えた。到底昨日今日なったばかりの新人隊士がこの様な刀を持っているはずが無い
「そうだけど」
「お前の師匠は何者なんだ?これは歴とした日輪刀。お前の師匠は元柱か?」
「柱?かは分からないけど、鬼狩りだったとは言ってた」
「…そうか」
宇髄は何も言わなくなり出口へと向かった。Aも宇髄を追うようについて行く
「いや、だから返してってば」
屋敷を出るとAより先に屋敷を出ていた宇髄は塀に寄りかり腕を組んでいた
「返して欲しいか?」
腰から刀を鞘ごと抜くと見せびらかすように宇髄は刀を左右に揺らした
「だからそう言ってる」
「なら、俺から奪って見せろ」
「はぁ?」
Aは思い切り顔を顰めて宇髄を見る。何を言っているんだこの男は
Aは仕方無しに宇髄に近づくと刀に手を伸ばした。すると宇髄は腕を上に伸ばして刀をAから奪われないようにする
「あ、ちょ、」
身長の低いAは跳ぼうが何しようと刀に届かなかった
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あんこ(プロフ) - あ、あの…ホームページの方を今読んできたのですが…占ツクのも、そちらの方も、尊くて死にそうになりました…今回の占ツクの方の更新すごく嬉しかったです。更新、無理せず頑張ってください! (2019年11月6日 1時) (レス) id: c12f380ffd (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - 非常食の玲音__腐__低浮上さん» ありがとうございます!!! (2019年11月5日 18時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)
非常食の玲音__腐__低浮上 - やっぱりいいですね、、、この小説()とても好きです(白目) (2019年10月24日 21時) (レス) id: 8d59e0f155 (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - にゃさん» わざわざホームページから飛んできて下さり感謝です!こちらではホームページとは内容が違いますのでこちらもホームページの方も楽しんで頂けたら幸いです♪ (2019年10月19日 19時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)
聡舍(プロフ) - 非常食の玲音さん» ありがとうございます♪♪ (2019年10月19日 19時) (レス) id: 8706bb80e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:聡舍 | 作成日時:2019年8月15日 16時