あんさんぶるな王子様【短編集】 (ページ15)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:26,737 hit

終特別編ページ15

貴方side

次の日から私は、学校に行った

時々、『あれプロデューサーじゃね？』って声が聞こえたけど、気にしなかった

待っていてくれる人達がいたから

私は、強くなれた

・

貴「私……今でもね、流星隊を輝かせられなかったこと、後悔してたの……っ」

そこで、バッと立ち上がる

貴「でも、でもね！」

流星隊のメンバーの顔を見る

貴「今日のサプライズ見てね、分かったの！」

笑いながら言う

貴「過去のことに捕らわれない皆が、一番輝いていて素敵だってこと！」

千「A……！」

貴「だからね、あの過去は今日、ここに置いて行きます！もう思い出さない、後悔しない！私が過去を思い出してたら、皆も思い出しちゃうもんね！」

鉄「Aさん……！」

貴「大丈夫。私には皆がいる。流星隊も、他のユニットの皆も！また批判されても、頑張れる！待っていてくれる人がいるから！」

今、人生一、良い笑顔をしていると思う

翠「久しぶりに、先輩の笑顔、見れたッスね…」

千「だな！A、最近暗い顔ばかりしてたからな！」

ス「それを見て、皆でAにサプライズをしようってなったんだよね！」

司「まさか、感動物語になるとは思わなかったですが……」

薫「Aちゃんに笑顔が戻って良かったよー！」

貴「ご心配をおかけしました……もう私、暗い顔はしませんので！」

凛「別に、しても良いんじゃないの？」

貴「え？」

嵐「ちょ、ちょっと何を言い出すの凛月ちゃん！」

凛「無理して笑っちゃだめ。辛い時は、暗い顔して良いよ……何で俺達がいると思ってるの？暗い顔の人を、笑わせるためでしょ？」

イタズラっぽい笑みを浮かべる凛月くん

貴「！」

泉「ちょっと、くまくんのくせに良いこと言うとかムカつくんだけど～？」

貴「ふっ……あはははは。そう、ですね……うん。凛月くんが良いこと言うとか……あははっ」

友「あれ、Aさん泣いてます……？」

貴「え？あ、ほんとだ……また泣いてる」

つーっと頬を伝う涙

貴「面白くてっ……あははっ……グスッ」

北「無理するな」

貴「いや、大丈夫！」

安心したんだ

こんな私を受け入れてくれるって、分かったから

真緒「皆で変顔とかして笑わせるか？」

貴「ううん、大丈夫！ほら、笑顔だから！ね？」

大丈夫、大丈夫

私は前に進める

皆とならできる

―そのための一歩を、今日踏み出した