好きこそ物の上手 01(弟) ページ46
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「みてみてA!」
「え?あ、・・・す、すごいね・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「A届かないの?ほら!」
「わぁっ!!」
「・・・・・・・・・」
「兄者さん、あれ、止めないの?」
ちらりとおっつんを見てため息。
「はぁ・・・止められたらもう止めてるって」
「だって、ほら・・・あれ・・・」
おっつんの視線の先には弟者とA。
棚の本を取ろうと背伸びしたA。
そのAを問答無用で抱き上げている弟者。
結果、突然抱え上げられたAがビックリして
手に持ってた本が弟者の頭の上に落ちた。
「痛ぁーっ」
「あっ、ごめんっ、大丈夫?!ごめんね、弟者くん」
さっきまで面白そうに笑っていたおっつんですら
今は悲しいものを見る目をしている。
「兄者さん、あれじゃAが可哀想だよ」
「弟者はあれでカッコイイ俺アピール
出来てると思ってるから・・・」
「・・・それは、どうなのさ」
「やってる事がねぇ・・・・・・あほ」
二人して弟者を見つめる。
本を手に取るAに弟者はやってやったぜ、と
言わんばかりの誇らしげな顔。
「・・・・・・??」
おーおー。A微妙な顔してんじゃん。
「・・・弟者は・・・・・・あれでAに
アピールしてるつもりなの?」
「もう言ってやるな、おっつん・・・」
弟ながらに悲しくなるぜ。
「兄者!おついちさん!聞いてくれよ!」
「あ〜どうしたのかね、弟者くん」
誇らしげに俺たちに自慢しにくるけど
傍から見てて十二分にアピール出来てるとは
言い難い。
・・・・・・でも、
「Aがさ、
ありがとうって言ってくれたんだよね。
俺今日もうやばいわ、超いい日」
本人が幸せそうならそれはそれでいいのでは?
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時