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Let's! 01(兄) ページ47

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「えっ風邪?!大丈夫なの?
・・・うん、私は大丈夫だから、ゆっくり休んでね」

ずっと楽しみにしてたアーティストのライブ。
一緒に行くはずだった親友がまさかの風邪。


(しょうがない・・・)


楽しみにしてたし、親友にはなんだか
申し訳ないけど私、ライブ行きます!!!


1人はちょっと心細いって思ってたのも最初だけ。

ライブが始まれば私はすっかり夢中になってた。



「わっ・・・すみません」

隣の人と少しぶつかってしまった。

小さく頭を下げてまた視線はステージへ。



だけど盛り上がってる箱の中は
人が沢山いて、あまり背の高くない私は
人混みに揉まれてしまう。


(あ・・・ちょっと身動きとれない・・・)


ぎゅうぎゅうに詰まった空間。

身動きが取れなくて、
後ろに下がろうにも下がれないし
ステージも見えないし・・・


(どうしよう・・・)


やっぱり一人で来るんじゃなかった・・・


そんな不安な気持ちになった時
突然腕を掴まれて後ろに引っ張られた。


「わぁっ」


予想してなかったことに思わずよろける私を
しっかりと誰かが掴んでくれる。


顔をあげれば背の高いお兄さんがいた。


「あ、あの・・・」


誰だろ・・・スタッフさん・・・?
でも腕章つけてないからお客さん・・・?


「大丈夫か?」


お兄さんは低くて落ち着いた声で
私を心配してくれた。


「あ、大丈夫です。あの、ありがとうございます」

「いや、動けなくて困ってるように見えたから。
余計なことだったら悪い」


身動きが取れなくなってる私に気づいて
引っ張り出してくれたみたい。


「いえ、動けなくて困ってて・・・
助かりました!」

「ならよかった。
ここにいれば大丈夫だろうから。
俺、わりと身長あるから潰されることないだろ」

「!!・・・はい!」


確かにその通りだった。

お兄さんは周りよりも頭ひとつくらい背が高くて
おかげで私は人混みに揉まれることもなく
最後までライブを楽しむことができた。



アンコールも終わって、
お客さんがぞろぞろと会場を後にし始める。



「ありがとうございました、
おかげですごく楽しめました」

「そっか。よかった。
帰り、気をつけてな。」

「はい、ありがとうございます!」


軽く手を振るお兄さん。
小さく笑う顔に思わずときめいてしまった。



(また、会えたり・・・・・・なんて、あるわけないか)




そんな私の思いはその後、
駅の改札で実現するのであった。




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設定タグ:2bro , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:そすんさー | 作成日時:2018年3月12日 0時

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