ぎこちない ページ3
私は仁奈の言葉を聞き、言い返す事はせずにいた。否、言い返す事が…出来なかった。
だって、彼女との再会はあまりにも急すぎたから。『事前に予告される』なんて事は無い。
しばらくの間、私は何とも言い難い感情を抱きながら、SHRが終わるのを待った。
*
*
仁奈side
…はぁ。自己紹介をするのは初めてではないけど、やはり大勢の前だと緊張するわね。席について、私はふぅと一息つく。
親の転勤で、京都に「戻ってきた」。小学校の高学年以来だったか。それにしても…Aちゃん、凄く驚いた顔してたなぁ。
まぁそりゃそうか。だって、小学校時代の"友達"が目の前に現れたんだからさ。
何の前触れもなく、ね。さて…後でこっちから話しかけていこうか。彼女、気まずいって思ってる部分もあるかも分からないからね。
・
「や、Aちゃん。久しぶりだね。」
手をひらひらと動かしながら、Aちゃんの元に歩み寄る。
私の声に驚いた彼女は、「あ…うん。仁奈、久しぶり…。」と返した。
ありゃ、ぎこちないなぁ。もう少し、昔みたいに仲良くしてほしいな。
「…あんた達、知り合い?」
そう思っていると、Aちゃんの傍にいた茶髪の子が私にそう言ってきた。
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作者名:理依 | 作成日時:2018年3月12日 22時