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episode2 ページ2





『……ん』




暖かい




やわらかい布団の温もりがある






あれ…ここ、天国かな?





やっぱ、あそこで死んだのかな






動かない頭で、ぼーっと考える





目に映る見知らぬ天井






「あ、目…覚めたの?」






突然、目の前に現れた見知らぬ顔に




ほんとに思考回路が停止する






「おーい、大丈夫?」






私の顔を心配そうに覗き込むその人





『え…え?』



「おまえ、倒れてたんだよ?道の真ん中で」



『あ、それは…はい』



「で、ここ俺ん家ね」



『はぁ…』



「まだ寝ててね、おまえかなり熱あるから」






そう言って、私の額に冷えピタをぺたりと貼ったその人









助け…られた……?




見知らぬこの人に……?







嘘……でしょ




どうして……









『なんで…助けてくれたんですか』





ダメだって、わかってる




わかってるのに……







『なんで…死なせてくれなかったんですか』







この人の優しさが信じられない








「なに、おまえ死にたかったの?」




『だって…だって私は生きてても仕方ない!』









【あんたなんかいらない】



【消えて】



【なんで生まれてきたの】









頭の中に渦を巻いて離れない言葉たち








『私は……ッ』








死にたかった……を、言わせてもらえなかった





綺麗な、丁寧に手入れされてるであろう指が、それを遮った









「そんな悲しい言葉、言わないでよ」









その人は、困ったように笑っていた

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玲海(プロフ) - 欅千広さん» どっちも思いつきですけどね。でも優しい話にはしたかったので、伝わったのなら良かったです。ありがとうございます。 (2020年2月26日 2時) (レス) id: c35e0428ec (このIDを非表示/違反報告)
欅千広 - いちごみるく・勿忘草など読ませて頂いて、どれも人の温かさなどが伝わるお話でした。毎日、楽しみにしてます。 (2020年2月25日 22時) (レス) id: 94cd216a66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海姫 | 作成日時:2020年2月20日 0時

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