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episode6 ページ6

御幸





寝室にあいつを寝かせて、リビングに置いてる大きなソファーの端っこで膝を抱えてる男の子に声をかける




御「えっと、名前は?」



「……」



御「……どうした?」





さっきまでつけてたサングラスを取った俺を見て


口を開けたまま固まってしまったその子




まさか……





御「俺のこと、知ってる?」




「御幸選手!」





さっきまでとは違って、キラキラした瞳




御「うん、俺は御幸一也」


「おまえ、名前は?」




「…翔也」




御「翔也…」






その名前には聞き覚えがあった





【子どもはね、翔也ってつけるの】




いつか聞いた、未来の話だった






翔「ママ…大丈夫?」



御「うん、今ねんねしてるから」

「翔也は、俺といようね」



翔「うん…」





ふわふわの髪を撫でてやると、少し落ち着いたようだった




御「とりあえず、顔冷やそ?」




小さな顔につけられた痣に、保冷剤を当てる




御「これ、誰にやられたか…聞いてもいい?」



翔「ぱぱ……」




小さく


遠慮がちに教えてくれた





御「そっか、もう大丈夫だからな」





この子は…翔也は




まだ汚い物事なんて映さなくてもいい瞳に



どれだけ重たいものを映してきたのだろう







翔「あのね、御幸選手」



御「うん」



翔「いつも…ママが守ってくれるの」


「だからママね、いっぱい痛い痛いしたの」


御「うん…」






寝室で眠るあいつの真っ白い肌にも、無数に傷や痣があったのを思い出す






翔「ママね、すっごい強いんだよ」



御「うん…翔也のママは、強いよ」



翔「御幸選手…」


「ママのこと助けてあげてください」






小さな体で、ぺこりと頭を下げた翔也









御「うん…助けるよ」



「翔也のことも、ママのことも助けるからな」

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ゆかり(プロフ) - 凄い感動しました!続き待ってます (2020年3月11日 12時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲海 | 作成日時:2020年2月24日 13時

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