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episode11 ページ11








『…寝過ぎた……よね』




目が覚めたのは、昼時だった




久しぶりにこんなに気持ち良く寝たかもしれない



その原因が、あの人がいるという安心感なのが否めない





リビングの方から翔也の笑い声が聞こえた





そーっとリビングへと向かう






御「おはよ」



翔「ママー!」





私を見て微笑む一也と、満面の笑みでこちらへ走って来る翔也






それは、いつの日かと夢見た光景だった







御「熱は?」



『あ、うん…下がったよ』



翔「ママ元気になった?」



『うん、元気だよ』


『ごめんね、1人にして』


『遅くなったけど、誕生日おめでとう』




翔「えへへ〜ありがとう!」






小さな顔につけられた痣が痛々しいけど



誕生日を笑って迎えられたのなら、よかったと思った





翔「あのね、ママ」


「見て!これ!」





両手に大事そうに持つ野球ボール




『なに?それ』



翔「御幸選手のサイン!」





野球ボールに綺麗に書かれた一也のサイン





御「誕生日プレゼント、だもんな」



『あ…ありがとう』


『ほんとに…ありがとう』




御「んーん、俺の方こそ応援してくれてありがとう」







そう笑って、翔也を抱き上げた一也





翔也も、嬉しそうに笑っている







何度となく描いた未来だった






心から願った、未来の光景だった







どうして私は、その未来を見失ったのか






どうして私は……










こんなにも愛しい人を支え続けられなかったのか

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ゆかり(プロフ) - 凄い感動しました!続き待ってます (2020年3月11日 12時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲海 | 作成日時:2020年2月24日 13時

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