episode15 ページ15
オフシーズンが過ぎ、ペナントレースがはじまった頃
私と御幸は、時々会い、その度に身体を重ねた
ただ、この関係に、2人して名前をつけようとは思っていなかった
本気の恋をしている私には、少しだけ心苦しいけど
「……ごめん、A」
一度、行為の後に聞いた御幸の声に
何も…言えなくなった
・
その日は、仕事がお休みの日だった
たまたま立ち寄った本屋で、大好きな漫画を購入した後だった
「桧垣さん、ですよね?」
「ちょっといいですか?」
私に話しかけてきたその人
女の子らしい服装
誰もが守りたくなるような、かわいいって認めるくらいの女の子
あぁ、この人、知ってるわ……
「桧垣さん、私のこと、覚えてますか?」
覚えたくなくても覚えたよ
忘れたくても、忘れられなかったよ
『谷本璃奈ちゃん、でしょ』
高校時代の、御幸の彼女ちゃん
私が虐めてるって噂たてられた人
まぁ、私も玲那も虐めてなかったけど
けど、それをあの卒業式の日に私が口にするまで、その噂が本当だと、御幸が思っていたってことは、そういうことなんだろうなって
璃「一也くんに近づくの、辞めてもらえます?」
「迷惑なんですけど」
『御幸の口から迷惑って聞かないと信じない』
璃「はぁ?!」
「もういいです」
「精々後悔してくださいよ先輩」
「貴方と一也くんが結ばれる確率なんて、0なんですよ」
それだけ言うと、谷本璃奈ちゃんは去った
『……まだ、付き合ってたのかな…?』
でも、谷本璃奈ちゃんとはプロ入りすぐに別れたって、風の噂で知ったし
御幸本人からも、彼女はいないって言われてた
というか、彼女より何よりも
【貴方と一也くんが結ばれる確率なんて、0なんですよ】
一気に、現実を見せられたようだった
何度身体を重ねても、進まないこの恋は
どうして、冷めることを知らないのか
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
miyu - とっても面白かったです!切ないけど最後はハッピーエンドでよかった…!私こういう話大好きなので、とっても楽しかったです!この作品つくってくれてありがとうございました!! (2020年4月15日 16時) (レス) id: 26b43c37d7 (このIDを非表示/違反報告)
玲海(プロフ) - ナナさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。頑張ろうって思えました! (2020年3月4日 0時) (レス) id: c35e0428ec (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - これ、なんで見てる人が少ないか不思議なくらいいい作品だと思います!作ってくれてありがとうございます! (2020年3月3日 10時) (レス) id: 6a8e4241a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:玲海 | 作成日時:2020年2月5日 22時