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episode2 ページ2

『ずっと、好きだった』





御「…………は?」






私の言葉に口を開けて固まる御幸



隣にいた倉持も前園も目を丸くしている





そりゃそうだよね、そんな素振りなかったし




接点だって…無いに等しい




何しろ、優等生の御幸と私じゃ、住む世界も違う






でも、そんなの関係なかった









『3年前、真っ白な練習着を泥だらけにしながら野球に打ち込むあんたに一目惚れした』






自分とは違う




夢中になれるものがあって




それに必死でくらいつく姿がキラキラして見えた







『びっくりするのは当たり前、御幸は、知らなくてよかったんだよ』









貴方に彼女ができたときの、胸の苦しみ





幸せそうに、知らない女の子と笑う姿




誰にも見せたことのないような笑顔




そのどれもが愛おしくて




切なくてたまらなかった








倉「いやおまえ…御幸好きなら、なんで御幸の彼女虐めてたんだよ」


『ッ…』


倉持の言葉に、息が詰まる





『……信じるかは、おまえら次第だけどさ…虐めてなんかないよ』


御「え…でも……」


『全部、噂だよ』






小さな嫉妬がなかったと言えば嘘になる



でも、そんなことで腐るわけない




たまたま、御幸の彼女が私にぶつかって、頭下げてるとこを目撃した人が流した噂


それを、誰も否定しなかったわけだ









『まぁ…いいや』



『もう、最後だし』







貴方とこうして向き合うのは、今日で最後








『とりあえずさ、好きだった』




『ほんとに…どうしようもないくらい好きだった』




『返事とか、いらないから』









私は、自分自身で




この恋に終止符を打つだけ







『この恋が、いつ冷めてくれるかわかんない』







当分は、苦しいままかもしれない








『でも、前に進めるよ……これで』







『ありがとう、御幸』









ありがとう











『じゃあね』









さようなら









もう、会うことのない人









御幸一也









貴方は私の









『どうしようもない…初恋でした』

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miyu - とっても面白かったです!切ないけど最後はハッピーエンドでよかった…!私こういう話大好きなので、とっても楽しかったです!この作品つくってくれてありがとうございました!! (2020年4月15日 16時) (レス) id: 26b43c37d7 (このIDを非表示/違反報告)
玲海(プロフ) - ナナさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。頑張ろうって思えました! (2020年3月4日 0時) (レス) id: c35e0428ec (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - これ、なんで見てる人が少ないか不思議なくらいいい作品だと思います!作ってくれてありがとうございます! (2020年3月3日 10時) (レス) id: 6a8e4241a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲海 | 作成日時:2020年2月5日 22時

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