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episode11 ページ11

琴羽



私の告白に驚くA先輩


目を真ん丸にして固まってしまった



琴「…A先輩……?」


『あ……あぁ、で、なんだっけ』


琴「だから私、御幸先輩に告白したんです!振られたけど……」


『へ…へぇ』







そう、あれは



3日前のこと




琴「御幸先輩!駅まで送ってください!」



いつものように御幸先輩に頼む



御「ん?あぁ…」



いつものことすぎて、ちらりとA先輩を見た後、歩き出した御幸先輩の後を追いかける




琴「御幸先輩、今日もすごかったですね」


御「あぁ、ありがとう」



私の言葉に適当に返事をする御幸先輩

スタスタと、少し急いだように歩く



琴「……そんなに、A先輩のとこに早く帰りたいんですか?」


御「まぁな…わりぃけどさ、あいつとバット振る時間はめちゃくちゃ大事なんだよな」



琴「御幸先輩ならわかりますけど…A先輩は素振りする意味ってあるんですか?」




ノックとかはやってるけど


現役の選手みたく熱心にバットを振る必要なんてあるわけない



御「あいつは…俺のために振ってるだけだよ」


琴「え?」



そこから御幸先輩は、A先輩の話をしてくれた



一緒に野球をしてたけど、怪我のトラウマでできなくなったこと



けど、去年の秋大会で御幸先輩が怪我して、それでも試合に出ると言い張る御幸先輩を見て



いろんな不安を振り切って、バットを握ってくれたこと



そして、隣りでA先輩が素振りをしてる空間



何の会話もないけど、その空間が一番安心できる場所だってこと







敵わないと思った





心の底から、私の恋は叶わない





けど、一度抱いた想いは止められない




一か八か




勝算なんてないけど






琴「……好き…です」



御「え?」






琴「私、御幸先輩のこと好きなんです!」

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作者名:玲海 | 作成日時:2020年2月13日 22時

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