【歌い手】年上彼女にスポットライトを。【大型コラボ】 (ページ10)

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【坂田】ダチュラの甘い蜜(後編)/sera ページ10

「んー、Aはね」

「お？」

「クールやんな」

「おぉ…？」

真剣な顔でそう言った坂田くん。

クール…クールかぁ…。あまり自覚はないんだけど、よく冷めてるね、とは言われる。

そう伝えると「そうかもしれへんなぁ」と言った。

「でもクールな人ってさ」

「うん」

「その表情崩したいって思わへん？」

「うん？？」

何をいうかと思えば、イタズラを考える子どものような表情でそう言い出した。

てっきり「憧れるわ」とか「そこもAのええとこちゃう？」とかいうのを期待してたから、迫りくる坂田くんの手に気づかなかった。

「…う、わ…？！」

「…ふふ」

気がつけば後ろは床。前…というか上には坂田くんという体制。つまり押し倒された。

満足気に弧を描く赤い唇。さっきまでの可愛い子どものような坂田くんは何処へやら。

「坂田くん、何してるの？」

「んー、仕返し？」

「何の？」

「いつもからかってくれてるから、俺もからかおっかなーって」

なんだ、からかってるのか。なんて安心すれば、坂田くんは妖艶に私の頬を撫でた。

完全に私の思考回路を把握しているかのような。言葉巧みに私を翻弄する坂田くん。いつも見ていた彼がいきなり腕の中から消えて、私は困惑するばかり。

「……俺、甘いんは結構好きやねんで」

「何、言って」

「俺のこと、飽きさせへんよね、Aなら」

甘い、甘い、蜜を唇越しに渡してくる坂田くん。

私が見ていたのは、ケーキの上にデコレーションされた飾りだけ。

中には危険で、それでいて癖になるような甘い蜜が詰まっていたみたい。

あぁ、この蜜なら、おばさんの私でもいつまでも飽きずにいられそうだ。

そんなことを思いながら、彼の甘い蜜に体を溶かした。