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【あほの坂田。】キスして。(前編)/おりうら ページ11

「な、なぁ、A!」

「んー?」

あぁ、今日も始まった。

彼が私の肩をぐっと掴み、顔を近づけてくる。

何が起きるかを察し、ゆっくりと目を閉じる。

ここまではいつも通り。

「...。」

だが、いつまでたっても唇に感触がない。

今、私はキスを待っている。

彼氏である『坂田明』の。

ちなみに私の方が年上。

身長は彼の方が高い。

普通にしていればかっこいい男性。

だが、口を開けば『構って』や『寂しい』と、とても素直で正直言うと子供っぽい。

いや、子供と言うより犬みたい。

おまけにキスの1つも出来ないヘタレ。

毎日毎日、名前を呼んでくれるのはいいもののここで止まってしまう。

チラっと目を開けると真っ赤なタコさん状態。

「あぁ! やっぱ無理!!」

いつも彼のこの一言で終わってしまう。

何回この言葉を聞いたのだろう。

そろそろ私も呆れる頃合いだ。

彼の事を嫌っている訳では無い。むしろ好きだ。

キスぐらいで照れちゃうところとか。

思ってることなんでも言ってくれるところとか。

でも、

私だって愛する人とキスぐらいしたい。

自分からしようと思えば何時でもいける。

けど、私は彼からのキスが欲しい。

年上だけどリードするよりはリードされたい方だ。

今のままでは無理だろうけど。

「今日も無理、か...。」

彼に聞こえないよう小さく呟いた。



「ねぇ! どーすればいいと思う?」

「...俺にそんな事言われてもなぁ〜。」

どうしようか分からずとりあえず千羅の家に来た。

千羅くんとは中学校の時に仲良くなった同級生。

恋愛経験の豊富な千羅ならきっとどうすればいいか分かるはず。

「千羅そういう系のことよく知ってるでしょ?」

「俺をなんや思てるん?」

「チャラ男。」

「おい!」

でも、実際毎日って言っていいぐらい女の子といたし。

そのくせ頭良いとかムカつくわー。

まあ、いい所もあるんだけど。

「まあ、それはいーとして。坂田にキスして欲しいって?」

「そう! 付き合って1ヶ月は経つのに...。」

自分で言って自分で落ち込んだ。

「どうすればいいと思う...って、スマホ見てないで話聞きなさい。」

「あー、ごめんごめん。」

こっちは真剣に相談してるのにスマホに夢中って。

どうせ他の女の子とメッセージのやり取りでもしてるんだろうけど。

「...。」

ただ呆然としていた。

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キリカ@低浮上なうです(プロフ) - コラボ最高でした〜!いつも読ませて頂いている作者様揃いで、完璧に私得でした(笑)執筆お疲れ様です! (2018年9月20日 17時) (レス) id: 83003a603d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加者一同 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seyu/  
作成日時:2018年9月8日 19時

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