【坂田】ダチュラの甘い蜜(前編)/sera ページ9
「坂田くん、左に敵いるよ」
「えっ、うそ。どこ?!」
付き合っているふたりが部屋でパソコンに向かってそんなことを言う。この状況が変だなと思うのは私だけなんでしょうか。
慌てる坂田くんの声を聞いてそんなことを思った。
「あ」
「あぁ〜、死んでもたぁ」
「どんまい、坂田くん…」
ヘッドショットをくらって蘇生する暇もなく、戦線離脱した坂田くんは「うぅ…A〜…」と言いながら腰に抱きついてきた。
好きな人にそういうことをしてくれるのはやっぱり嬉しいけど、敵と撃ち合いなうなのでやめてほしい。
そんなことを言えるはずもなく、同じようにヘッドショットをくらってゲームオーバー。
「ごめん坂田くん、敵撃てなかった…」
「相手強かっただけやって!…と、ちょっと休憩しよ!」
「うん」
そう言うと座っていた私の膝に頭を乗せる坂田くん。初めの頃はびっくりしたり照れたりしてたけど、今では馴れたものだ。まぁそれも、年の差が故にといったところか。
頭を撫でると、サラリと指の間から髪が通り抜けていく。髪を染める回数が少ないのか、元々の髪質なのか、彼の髪はサラサラで好きだ。
「坂田くんってさ」
「ん?」
「可愛いよね」
じぃっと目を見つめながらそう言うと、坂田くんは「えっ、あ、どないしたん?!」とテンパっていた。そういうところも可愛いんですよ。
「え、えぇ〜。可愛いかな?」
「うん、可愛い」
「えへへ、ありがと。Aもかわええで!」
いきなり上目遣いで言うもんだから、心臓がギュって掴まれたような変な感覚。
「…こんなおばさんに言いますか…」
「ええっ、おばさんって、俺と4歳くらいしか変わらへんやん!」
「君と4歳も違うってことは、私は30歳なんだなーこれが」
嫌味っぽく言うと坂田くんは「ごめんってー!」と慌てて言った。嘘です。ただの照れ隠しなので怒ってません。
からかうのはやめようって毎回思うけど、やっぱりからかってしまう。だって反応が可愛いんだもん。それに、年上なんだから許してよね。
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キリカ@低浮上なうです(プロフ) - コラボ最高でした〜!いつも読ませて頂いている作者様揃いで、完璧に私得でした(笑)執筆お疲れ様です! (2018年9月20日 17時) (レス) id: 83003a603d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:参加者一同 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seyu/
作成日時:2018年9月8日 19時