【歌い手】年上彼女にスポットライトを。【大型コラボ】 (ページ8)

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【まふまふ】おやすみなさい/星結ページ8

＊side you

真冬くんは可愛い。

見た目はしっかりと男性なのに、柔らな性格とか、耳心地良い高音とか、そういうものがそう思わせるんだと最近知った。
ちょっとした仕草すら、私より女の子らしくて羨ましい限りだ。

「Aー、僕のスマホどこ？」
「あ、多分そっちのテーブル」
「あったあった！ありがとー」
「どしたの？あ、写真？」
「うん」

久々に振る舞う手料理は年上の意地と女のプライドを隠し味にしたクリームシチュー。
ペシャメルソースから手作りしたそれは、大学調理科専攻だった私の得意料理だ。

「やっぱAすごいね、綺麗」
「まぁ、免許あるもん」
「ほら、リプ来てる」

スマホを見せられて、私の料理を褒めてくれるコメントを確認した。
でもこれ、真冬くんだからこんなすごいことになってるんだよね？

「じゃ、いただきまーす」
「どう？」
「いつも通り美味しい」
「あはは、良かった」

大学卒業後7年が経った今でも調理スキルは武器になっている。
頑張って良かった、そう思えるのは何より真冬くんはが喜んでくれるからなんだろう。

「ご馳走様ー」
「お粗末様でした。お皿そっちお願い」
「うん。あ、僕今日早めに寝る」
「明日、何かあるの？」
「詳しくは言えないけど、ちょっと出かけるし」
「そう」

洗剤の泡に手を包まれながらゆったりと過ごす真冬くんを見ていた。
こうしていれば地味で味気ない皿洗い作業もすいすい進むようになる。

「…A、見過ぎ」

流石に5分も眺めていたらバレる。
えへへ、なんて誤魔化したら大丈夫だ。
ハンドタオルで手を拭いてからエプロンを外した。

「だって真冬くん、可愛いから」
「…」
「？」
「またAは、僕のこと子供扱いして」
「えっ？真冬くん？」
「僕可愛くないから。…やっぱり、早く寝ない」
「真冬くん？」

普段と違う、真面目な顔をしようと必死な真冬くんを見れば見る程愛しくなって、守ってあげたくなる。
長身の男性を小柄な私が守るっていうのも変な話だけども。

「僕だって、男なんだから」

そう言いながらも11時におやすみしちゃうんだから、やっぱり真冬くんは可愛い。