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「練習代わりだ。スタンド能力を使ってどうにかしてみな」
「…使いません。離してください」
「使うっつっても特殊能力を使うだけがスタンドじゃあないんだぜ。アンタには見えないかもしれないが今アンタのスタンドは背中に隠れながら必死に俺の手を角でつついているぜスタンドは持ち主に似ると言うが…ずいぶんと控えめな性格のようだな」
「そうなんだ…ありがとう」
見えない相手にお礼を言うと、また逆だぞと指摘をされて恥ずかしかったけれどこの子は私の敵なんかじゃあないんだと思うと少しだけ心が晴れたような気がした。
「俺も最初はスタープラチナが悪霊だと思ってずっと拒絶していたが、存在を認めるとこいつも俺のことを認めたように指示に従うようになったからそういうことじゃあねえか」
たしかに私は早くこの子の能力を使わなくていいようになりたいとばかり思っていた。こんな能力いらない。そんなことばかり考えていたら折角私のもとに来てくれたこの子の立場がないことに空条さんの言葉で気づいた。
お礼を言おうと、うつむかせていた顔を上げたらぱっとあっさり手を離してくれたところを見るとどうやらこれもからかいの一部だったようだ。彼は表情が読みづらい分、分かりにくい
「スタンド事態がというより持ち主が触れる、触れないを決めない限り人間や物質に触れることは出来ないはずなんだが…とりあえずこのチクチク刺す攻撃を止めさせてくれ」
「えっ、まだやってるんですか…？えっと…だめだよ、やめて」
「どうやらこいつは俺がAに嫌がらせをしていると思っているらしいな」
それにしては弱すぎる攻撃だがと言う空条さん。弱いとはいえ自分が人に攻撃するだなんて…やっぱりスタンドは扱いが難しいようだ。ちなみに止めてという制止の声を聞いても止めてくれなかったらしく、空条さんのスタンドでちょっとつつくとすぐにまた私の後ろに隠れたそうだ
「見えないと不便ですね…」
「ここまで見えないやつは例にないだろうからな…研究者たちが盛り上がってモルモットにされねえといいな」
「モルモットだけは勘弁してください…」
いつの間にかそんな軽口を叩けるくらいには距離が縮まった気がして、空条さんは意外と慣れ親しみ易い人なのかななんて気づいた日曜日だった
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作者名：ぴーぬ | 作成日時：2021年8月22日 22時
