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「まるで小動物か草食動物だな」
じゃあ、あなたは肉食獣ですね。なんて軽口を叩くことも出来ずに、なんだか恥ずかしくてくつくつ笑いながら此方を見る空条さんを直視できない。
「や、あのですねなんだかこう空条さんにそんなフランクに言えないというか」
「面白いぜ、アンタのスタンドも今俺のスタープラチナに見られて縮こまってアンタの背中に隠れている。スタンドは精神そのものだがここまで持ち主の感情そのままだすやつはなかなかいねえぜ」
まるで自由研究の課題に取り組む学生のようにじぃっとこちらを観察する空条さん。もう、ほんと勘弁してほしい。顔が熱くなるのを止められずパタパタと手で扇ぐと暑いのか？なんてまたからかわれる。
「…空条さん、こんなキャラでしたっけ？」
「すまないな、なんかAを見ているとつい遊びたくなっちまって」
アンタみてえに煩くねえ女は珍しいからな。なんてふっと微笑まれたら何も言えないじゃあないか。むすっとする私のことを見てまた少しだけ笑った後にふと立ち上がってそのまま部屋を後にした。どうしたんだろうと首を傾げていると戻ってきた彼の手にはお皿に乗ったケーキがあってさらにはてなマークを浮かべざるを得なかった
「揶揄っちまった詫びだ。食いな」
「…まだ許してはいませんよ。でも頂きます」
私の大好きなモンブランを目の前に出されたら実はもう８割以上許しているのだが。なんで彼がこうもピンポイントで出してくるのかわからないけれど、甘いモンブランをゆっくりと味わうように食べているとその答えはなんともあっさりと本人から明かされたのだった
「仗助にAはこれが好きだって聞いたものでな。買っておいて正解だったぜ」
「…仗助くん」
なぜ空条さんが仗助くんに私の好物を聞いたのかはわからないけれど嬉しいような、なんなく陥落されてしまう自分が悲しいような。まあ目の前のこの子にはなんの罪もないので美味しくいただくのが一番だ。まんまと術中にはめられたことは百も承知だがやはりここのモンブランはとても美味しい
「そんなに好きなのか？」
「元々モンブランは好きなんですけどここのは特に美味しいんです」
先程からかわれたことはもう忘れよう。そう思えるくらい幸せな気分を味わえる私は自分で言うのもなんだけど我ながら単純な思考回路だと思う。ペロリと平らげてしまった私を見ながら彼はまた先程の言葉を紡ぐ
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作者名：ぴーぬ | 作成日時：2021年8月22日 22時
