4-1:VDカード(3作目26話より) ページ19
◆強さが欲しい3 番外編
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ドラコは、6枚目にもなるカードを睨みつけながら、羽ペンを握っていた。
そしてふと自室のベッドを視界の片隅で捉える。
組み敷いた時の、華奢な手首。
きらきらとしたサファイアの瞳。
そして、いつまでも味わいたいと感じた
柔らかな唇。
クリスマスの、彼女の感触が鮮明に思い出される。
�燹次次漆佑離侫 璽好肇�ス奪ってるんだから謝りなさいよ馬鹿��
あの言葉が耳から離れない。
そして、その言葉を思い出す度に、ドラコの口元は緩んでいた。
「…なんて、書こうか…」
彼女に素直な気持ちを伝える勇気はない。
けれども、自分のことを意識してもらえるくらいには想いをのせたい。
�燹次次次室�信を失わないで��
�犁�方は私にとって最高の箒の先生だった。忘れたなんて言わせないわ、貴方がいなきゃ私は箒に乗れなかったもの��
君だけだ。
君だけが僕をーーーただ、真っ直ぐに見てくれる。
お金の力でなく、才能でチームに入ったと認めてくれた。
事実、箒を寄付して合格したのではなく、合格して、折角だからと父が箒を寄付したのだ。
でも側からみて、箒のお陰で受かったと思われたのだ。
けれど、そんなこともう、どうでも良い。
�犁�方にはちゃんと、才能がある��
いつだって真緒は、僕を支えてくれる。
君が、欲しい。
他の男になんか、くれてやるものか。
君の笑顔も、照れた顔も、
泣いてる顔も、怒った顔だって、
全部ひっくるめて、僕のものにしたい。
びりびりとカードを破いた。
うまく書けそうにない。
クリスマスのあの日、キスしてしまった以上、
あまりにも素直に想いを書きすぎると、
気持ちがバレてしまいそうだ。
それとも、いっそ告白してしまおうか。
ドラコは深い溜息をついた。
考えれば考えるほどに、分からなくなる。
そもそも僕はどうしたいんだ。
真緒とどうなりたい。
恋人に？それとも婚約者？
いやいや、婚約なんて早すぎる。
けれど、恋人になって、
もしも喧嘩して別れたら？
真緒は他の男の所に行くかもしれない。
それならいっそ、婚約者になれば良い。
「ああもうっ…」
ドラコは机に突っ伏した。
髪は乱れるが、そんなこと構わずに。
バレンタインまで残り3日。
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作者名：M.S | 作成日時：2019年9月7日 18時
