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「やあ図書室私の名前を知ってるかい!?
知ってるよね!だって未来の英雄だから!」
ズダーン、と勢いよくドアを開いて叫ぶ。
ほら、時間経てばみんな気づくでしょ!
ひなたと付き合ってるなんて馬鹿げてるし!
「___うるさいんだけド」
むん?
この変な喋り方。
「夏目先輩!」
白衣姿の夏目先輩が迷惑そうに立っていた。
「なんで来たノ?帰ってヨ、邪魔」
「逆になんでそんなに攻撃的なんですか!?」
まだ「変な発音!」って笑ったの根に持ってるの?
器が小さい男は嫌われるよ!
「キミに言われる筋合いはないヨ」
「え、声出してました?」
まさかのあるあるパティーン?
「いや、ボクの魔種だかラ」
「夏目先輩の?」
「ボクの魔種は人の心を読めるんダ。
キミの心は常にうるさいよネ」
「わあ、心を覗くなんて夏目先輩のえっち!」
「“黙れ精神異常者”」
「ひど!?」
図書室には私と夏目先輩しかいない。
よかったよ、誰かいたら睨まれるし!
「それデ…その格好のせいで色恋沙汰っぽいのに巻き込まれたんだっテ?」
「そうなんですよ!」
「キミ、微塵も恋愛に興味ないんだネ。
女子のくせニ」
「悪口!?」
最後の一言いらないと思うんだけど!
夏目先輩って他の人にはもっと優しかった気がする!
「…一応、キミのために助言してあげるけド」
ふぅ、と夏目先輩は息をつく。
じょ、助言?
「“人が言っていることだけが全てじゃない。
表情の裏にある感情を見つめなさい。
でないと、いつか後悔する。
人の好意に気づかないことは、重罪だ”」
…何言ってるんですか、って笑い飛ばそうとしたけど。
夏目先輩の真剣な表情を見て真面目なんだ、って思った。
「…どういうことですか?」
「それは答えられないナ。キミ自身が見つけないと意味のないものサ」
人の好意?重罪?
よくわからなくて、夏目先輩の言葉が頭をグルグルとまわる。
「…まァ、焦らずにネ。早く教室に戻りなヨ。
今なら誤解も解けるんじゃないかナ」
「………はい!行ってきます!」
「早く帰った帰っタ」
しっしっ、と図書室の外に追い出される。
「夏目先輩!」
「何?まだ何かあるワケ?」
めんどくさそうに答えた夏目先輩に笑顔を向ける。
「夏目先輩、意外と優しいですよね!」
「…ハ?」
唖然とする夏目先輩に背を向けて教室に向かった。
「…そういうとこだヨ、天然たらし」
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あるみかん(プロフ) - かえさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年12月10日 14時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
かえ - めちゃくちゃ面白いです!!!更新楽しみに待っています!これからも頑張ってください!!!! (2017年12月10日 10時) (レス) id: ad74bb0de7 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございます!何回も読み返してくれているですね!うわ嬉しい!他の作品の応援も、本当にありがとうございます! (2017年11月30日 21時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 凄く面白くて、何度も読み返してます!(笑)これからも頑張ってください!あるみかんさんの他の作品も、応援してます! (2017年11月30日 18時) (レス) id: 15ca18a995 (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - たまたまさん» ありがとうございます!こちらでもコメントして下さり嬉しいです!更新頑張ります! (2017年11月23日 23時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるみかん | 作成日時:2017年8月14日 21時