神々廻 ページ11
謎軸
疲れていた。仕事が重なって休む暇もなく、目の下には大きな隈ができてしまった。
ここは殺連関東支部。私はここで働いている。
新武器の製造をやっとの思いで終え、帰路についていた。
駅のホームで電車が来るのを待つ。少しだけ目を瞑ると頬に何か暖かいものが当たった感覚があった。
「 …神々廻。 」
「 久しぶり。随分お疲れやな? 」
神々廻の手には缶コーヒーがあり、それを投げられてキャッチする。
「 なんで……。 」
生暖かい風が電車と共に私たちの間を通り抜けた。神々廻と私の髪が揺れる。電車は止まり、ドアが開いた。
「 ほな行こかぁ 」
神々廻が電車に乗ってしまったので追いかけて私も乗った。ギリギリだった。
がらんとした電車の中で席に座り込んだ。
「 何徹目? 」
「 確か…5? 」
「 ちゃんと休みぃ?体持たん 」
小さく返事をした後、沈黙が流れた。
「 神々廻 」
「 なんも言わんといて欲しいゆーても、無理か 」
向かいの座席あたりを見ている神々廻が何を考えているのか私は検討もつかない。聞きたいことは沢山あるのに私の口が何も言うなといいだけにきゅっと閉まっている。きっと口を開いたら泣いてしまうから。でも、言わなきゃまた神々廻がいなくなる。
「 生きてて……良かったぁあ、ぁ" 」
「 ……すまんな、遅くなって 」
ポロポロ涙が溢れて抱えきれなくなった。視界が滲んで、私は世界一不細工な顔をしていると思った。缶コーヒーをぎゅっと握りしめてうるさいぐらい泣いた。夜明けの電車に乗っているのは私と神々廻だけで引くぐらい響く。
缶コーヒーを渡してくれた神々廻を見たとき、神々廻はボロボロだった。それでも戻ってきてくれたと思うと涙が自然と出てきてしまう。
・
彼女から溢れる涙を拭う。疲れ果てて眠ってしまった彼女の目の辺りには泣き跡があった。彼女を左手で自分の方に引き寄せる。
「 もう離さんからな。寂しい思いもさせへん。」
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るぅた(プロフ) - 初めまして!SAKAMOTODAYSの作品が少ない中、主さんのおかげで求めていた最高の作品を読む事が出来ました…!ファンになりました😍応援しています✨ (2023年1月3日 0時) (レス) id: 1362a610c2 (このIDを非表示/違反報告)
輝。 - しゅーくりーむさん» 私も返信遅れちゃってごめんなさい!嬉しいお言葉なんて…!こっちが嬉しいです!(泣)そして、夢小説楽しみにしてますね❗️☺️気長に待ちます!笑たのしみにてます! (2022年10月18日 8時) (レス) id: 3b8740454b (このIDを非表示/違反報告)
しゅーくりーむ(プロフ) - 輝。さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません😢嬉しいお言葉ありがとうございます🙏大佛ちゃんの夢小説書かせていただきます🙌気長に待っていただけると嬉しいです。何卒よろしくお願いします🙏 (2022年10月16日 20時) (レス) id: f6a8f2166b (このIDを非表示/違反報告)
輝。 - 始めまして!主さんの書く夢小説が素敵すぎてコメントしてしまいました…!さっそくなんですけど、リクエストで大佛ちゃんの夢小説書いてくれませんか?口調が難しいと思いますが、是非ともよろしくお願いします!(長文失礼しました💦) (2022年10月14日 23時) (レス) @page14 id: 3b8740454b (このIDを非表示/違反報告)
ツナムギ - リクエストです!南雲で[ハグしてみた]お願いします! (2022年9月15日 2時) (レス) id: 114f410bf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅーくりーむさん@五条先生推し | 作成日時:2021年11月12日 21時