027.唸る ページ28
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麻生
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火曜の日替わり定食はカレー。
おばちゃんによそってもらったそれをお盆に乗せてゾノと関と席を探して歩いていると、窓際の席でメロンパンを頬張りながらひとりぼっちで座ってる見慣れた後ろ姿。
ゾノと関は彼女をみると、とんっと俺の背中をニヤニヤしながら押した。
「………杉本」
「…」
無視…！！
スルーして黙々と飯を食っている杉本にぎょっとしていると、ゾノが苦笑いで「杉本ー」と彼女の頭をぽんぽん撫でた。
杉本は本当に今気がついたようにひょこっと顔を上げると「おー」と軽く手を挙げた。
「隣、いいか」
「あー…どうぞどうぞ」
「杉本が1人って珍しいな！な！」
「ちょっとねー…考えたいことがあって」
俺は杉本の隣に座って、ゾノと関は前に2人並んで座る。
部活を引退してから、違うクラスの俺は杉本に会う機会はがくんと減った。こいつは度々部活に顔を出してるらしかったけど、俺はあまり顔出さなかったから。
「麻生毎週カレー食べてない？」とへらへら笑う杉本に「好きだからな…」と目線をそらすように机の上を見た。
「なにそれ、進路希望調査？」
「あー………」
「杉本まだ出してねーの？」
「そーなの」
「自分がやりたいことも、自分が何に向いてるのかもわからない」と唸りながら机に突っ伏した杉本に、俺たちは3人で顔を見合わせる。
「ゾノは？なんて書いた？」
「俺は、関西に戻って大学進学しようと思っとる。純さんにいい話たくさん聞けたしな」
「そっか…関くんは？」
「俺は近所の公立。ちょっと偏差値足りないけどな」
「そっかぁ………麻生は？？」
「俺は……」
杉本の心配げな視線に、カレーを流し込むように水を飲み込むと、「………わかんね」と頭をかいた。
「野球はやらないの？」
「……やめたところでまぁ…やりたいこともねーけど、わかんねーや」
「私も何にもないや」
杉本にしては元気なくメロンパンを食べきると空っぽの袋を折りたたんで結ぶ。
「野球部のみんなと監督を取っちゃったら、私何にも残らない。やりたいこともなりたいものもない………あー…」とシャーペンをクルクル回す。
「………あああ、卒業したくないよー…」
「ゾノも関くんも、何気にちゃんと考えてたんだね……」と口を尖らせながら「どうするよ麻生ーあんまり時間ないよ〜…」と杉本は俺のサラダの皿からトマトを取るともぐもぐと頬張った。
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ジェシー - 続きが読みたいです、、！！作者様もし見ていらっしゃったら是非続きを書いていただきたいです！！！！ (2020年6月19日 3時) (
レス) id: 8f8c74e36c (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか？ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
空 - 今更だけど続き読みたいですッ！！ (2019年3月13日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 更新はもうしないのでしょうか？していただけるならその日を楽しみに待ってます!!!頑張ってくださいね♪応援しています!!! (2017年4月12日 16時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
夏乃実(プロフ) - ちかちゃーん(T_T)いきなり御幸世代終わっちゃってたから心臓止まった…私も考えたくないから多分書けないな(^^;; 麻生が切ないです。。 (2016年12月5日 3時) (レス) id: 753635ea11 (このIDを非表示/違反報告)
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