020.掠める ページ21
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「…ほんとにお化け屋敷ツアーを決行するとは思いませんでしたよ…」
「全部回るって言ったじゃん」
「言ったけど！まさか嫌がる私を無理矢理引き連れて行くとは思わないでしょう！」
「楽しそうでよかったよ」
「何言ってんだお前」
「そんな生意気なこと言うのはこの口かな〜」
イキイキとした亮介さんに躊躇なくほっぺたを引っ張られて「痛い痛い痛い！！」と必死に抵抗するとすぐにはなしてくれた。
空がほんのりオレンジから紫に変わって行く中、亮介さんと学校の廊下を歩いて麻生の教室へ向かう。
亮介さんとこうして学校の廊下を並んで歩くなんて、いつぶりだろう。高2の時を思い出す。
「亮介さん」
「ん？」
「付き合ってくれてありがとうございました」
「…」
「…お陰様でめっちゃ楽しかったです」
「最後の文化祭、ぼっちなんてオチになんなくてほんとによかった」と笑えば「シャレになんないね、それ」と楽しそうに小さく笑う。
「俺も、杉本が呑気に楽しそうにしててよかったよ」
「…一言余計なんですけど」
「お化けより杉本の顔の方がよっぽど怖いし」
「うるさいですねぇっ…おぉ…？」
亮介さんの相変わらず辛辣な言葉にムッとして言い返そうとすれば、亮介さんは珍しく私の頭を優しくわしゃわしゃと撫でた。
私は飼い犬かと思いつつ、珍しく優しい手つきにだんだん顔が熱くなる。
「やめてください」といいかければ、そのまま手が後頭部へ降りてきて、そんなに身長の変わらない彼の口が私の耳元へ寄る。
「もっと自信持ちなよ。
お前可愛いとこあるんだから」
「…っうぇっ！？おっおぉっ！？」
「…もうちょっと可愛い声出せないかなぁ」
ふんわり耳元を掠める亮介さんの色っぽい声に思わず耳を塞いで後ずされば、「可愛くない」と真逆のことを言いながら笑われた。
いつも言わないこんなこと。
今日はどうして言ってくれたのかな。
毒舌だけど不器用で人一倍優しい人だから、きっと私を励まそうとしてくれて。
「なんか、亮介さんに褒められると裏がありそうで怖いですね」
「人の厚意は素直に受け取りなよ」
「へへへ、ありがとうございます！ほんとに！」
「それじゃ麻生のとこいきますね」と手を振って歩き出せば「甲子園、行けよ」と軽く言葉が飛んでくる。
「もちです！」と振り返ってふふんと笑ってやれば「生意気」と笑ってから亮介さんも薄暗い廊下を私とは逆の方へ歩いていった。
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ジェシー - 続きが読みたいです、、！！作者様もし見ていらっしゃったら是非続きを書いていただきたいです！！！！ (2020年6月19日 3時) (
レス) id: 8f8c74e36c (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか？ (2020年3月28日 2時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
空 - 今更だけど続き読みたいですッ！！ (2019年3月13日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 更新はもうしないのでしょうか？していただけるならその日を楽しみに待ってます!!!頑張ってくださいね♪応援しています!!! (2017年4月12日 16時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
夏乃実(プロフ) - ちかちゃーん(T_T)いきなり御幸世代終わっちゃってたから心臓止まった…私も考えたくないから多分書けないな(^^;; 麻生が切ないです。。 (2016年12月5日 3時) (レス) id: 753635ea11 (このIDを非表示/違反報告)
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