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013.蘇る ページ14

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「亮介さんってば、相変わらず素直じゃないし怖いしちっちゃいけど優しいなぁ」

「お前殴られるぞ」




合宿を終えて、へとへとの麻生と二人並んで寮の方へと帰る。

亮介さんのおかげなのかなんなのか、だいぶ復活してきた私を、なぜか事情を知っている麻生は苦笑いで見ている。

もう野球部全体に知れ渡っちゃってるんだろうなぁ。
フラれた事実。




「いーの。もうおかえりになったから」

「いい性格してんなーほんと」

「この性格でも私のことを好きな麻生は偉大だよね」

「…おまっ…普通にそういうこと言うか?」




なんでもない顔で言った私に、麻生はうぐっと半ギレで顔真っ赤にして頭を抱える。

「モノ好きだよね、ほんと、麻生は」と笑うと「ここだけの話さぁ」と顔を扇ぎながら私を見た。




「杉本が『監督監督』言ってっから、誰にも告白されねーだけで、普通にしてりゃありだって言ってるやつ結構いるぜ?」

「…………ふーん」

「興味ねーの」

「ねーの」

「勿体ねー」

「監督監督言うのが私のアイデンティティだもん」




「そこ受け入れてくれなきゃ書類審査でバイバイだから」と軽く手を振れば、「そりゃハードルたけーな」と麻生は力なく笑った。


女の子ならきっと誰だって、

テレビの中の芸能人や、

かっこいいキャラクターや、

すごく年上の人に、

憧れなのか恋なのか判別のつかない気持ちを抱いたことってあるはずで。

大抵の人はそれを、高校生くらいにもなれば割り切って、周りの男子と付き合っていく。



私は少し…いや大分、それを拗らせている。





「自分でも馬鹿だなって思うよ?」

「…」

「だけど、好きなものは好きなんだもん。仕方ないじゃん」




「次の行事はなんだっけ?次頑張る!次!」と気合いを入れる私の頭を麻生はぽんぽんと撫でると「頑張れよ」と笑った。

寮に戻ると、入り口の門のところで監督と礼ちゃんが話している。




「……か、監督、お疲れ様です」

「あぁ」




復活したと思ってたけど、監督を前にするとやっぱり心臓がちくちく痛くて、私は小さく頭をさげると自分の部屋の方へ逃げるように歩く。




「…亮さんが回ってくれんだろ、立ち直れよ。文化祭までには」

「おう…」




私の変化を感じ取ったらしい麻生が、呆れた顔で私の背中を撫でると「じゃーな」と部屋へ戻っていった。




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ジェシー - 続きが読みたいです、、!!作者様もし見ていらっしゃったら是非続きを書いていただきたいです!!!! (2020年6月19日 3時) (レス) id: 8f8c74e36c (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年3月28日 2時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
- 今更だけど続き読みたいですッ!! (2019年3月13日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 更新はもうしないのでしょうか?していただけるならその日を楽しみに待ってます!!!頑張ってくださいね♪応援しています!!! (2017年4月12日 16時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
夏乃実(プロフ) - ちかちゃーん(T_T)いきなり御幸世代終わっちゃってたから心臓止まった…私も考えたくないから多分書けないな(^^;; 麻生が切ないです。。 (2016年12月5日 3時) (レス) id: 753635ea11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年5月19日 21時

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