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010.告げる ページ11

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「なんだ」



私の声に顔を上げた監督のサングラスの奥の目と目があう。

ドッドッと駆け回る心臓を抑えつつ、恐る恐る口を開いた。




「さぁ!問題です!!」

「……は?」

「次ある学校行事はなんでしょう!」

「……」



無言で私を見つめる監督に、私は汗ダラダラで心の中で自分をなぐる。バカなのか、なんでクイズ形式なのか。バカだ。

これだから、恋愛偏差値0に近い私はダメダメなんだ。

心の中で落ち込む私に、監督はスコアブックを捲りながら「文化祭だな…」と答えた。




「そ、そうです!正解です!」

「……それがどうかしたか」

「あ、のー…えーっと…」

「……」

「わ、私と」



ジャージのズボンをぎゅっと握りしめながら、監督を見つめて口を開く。




「文化祭、一緒に回ってください」

「……」




言った。

毎年言ってきた言葉だけど、今年ばかりは最後の賭けのようなもので、本気も本気だ。
大好きな監督と、文化祭を一緒に回れたなら、どんなに幸せだろう。

監督はいつもと違うトーンの私に目線をこちらへ向けて暫く無言で見つめる。

ドキドキしながらきゅっと口をつぐめば、

スコアブックを手に持って「…出るぞ、杉本」と私を促した。




「え。あ…あの。監督」

「……悪い」

「え」

「今年は文化祭の日、出張で学校にいない」

「……」




監督の言葉が、伝えられて少しばかり浮かれていた気持ちにずんと重しを乗せた。

黙ったまま、立ち尽くす私を見つめている監督の視線に、私は必死に口を開いて声を出す。




「あ、あはは、それは、しょうがないですね!
出張なら、どうしようも…ない!うん!」

「……杉本」

「大丈夫です!!断られ慣れてます!」




監督の呼びかけを遮るように必死に口角上げながら部室を出ると、「出張、頑張ってください」と笑った。




「それでは!おやすみなさい!」

「……おやすみ」




監督にぺこりと頭をさげると、足早にその場を立ち去る。

暗闇で煌々と光る自販機の前まで来ると、息切れしながらへなへなっとしゃがみこんで、膝を抱えた。




……フられ続けて、三年目。




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ジェシー - 続きが読みたいです、、!!作者様もし見ていらっしゃったら是非続きを書いていただきたいです!!!! (2020年6月19日 3時) (レス) id: 8f8c74e36c (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年3月28日 2時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
- 今更だけど続き読みたいですッ!! (2019年3月13日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 更新はもうしないのでしょうか?していただけるならその日を楽しみに待ってます!!!頑張ってくださいね♪応援しています!!! (2017年4月12日 16時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
夏乃実(プロフ) - ちかちゃーん(T_T)いきなり御幸世代終わっちゃってたから心臓止まった…私も考えたくないから多分書けないな(^^;; 麻生が切ないです。。 (2016年12月5日 3時) (レス) id: 753635ea11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年5月19日 21時

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