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『能力名──そして草木は夜を視る──です。』
「成程。因みにだが、其れはどういう能力なんだい?」
キラリと敵さんの瞳が光る。
何か探ってる、直感的にこう思った。
誰かの眼に似てる。
ーー嗚呼、治と首領の眼だ。
『
相手から、視力・聴力・嗅覚を奪います。』
「……つまり、あの時の爆発音は、部下達を1箇所に集める為かね。」
『ご名答です。』
私の言葉に、敵のボスはニコリと笑う。
「教えてくれてありがとう。そんな能力保持者が相手じゃ、勝てる筈が無いね。
さあ、何も気にせず私を殺しなさい。君達の勝ちだ。」
私は拍子抜けだった。
こんなにあっさり負けを認めるとは。
寧ろ、何か裏が有るのではないかと疑う
「テメェ、何を考えてやがる……っ!」
どうやら中也とも同じ意見だった様で。
「ふふ、ふふふ。成程、そういうことか。」
『治……?』
「ああ、善いよ。お望み通り、殺してあげよう。」
『ちょ、おさ、』
私の言葉はまるで聞こえていないような様子で、治は敵の額に銃口を合わせた。
カチリと、小さな金属が噛み合う音がした。
「嗚呼、そうだ。我儘を云う様で済まないが、赤眼の少女よ。」
『っ、何?』
まるで親の様な優しい、それでいて何かに縋るかの如く泣きそうな瞳で、彼は私を見た。
目と目が確り合う。
ーー私にも、異能をかけてくれないかい?
彼の声は出ていなかった。
唯、口だけが動いていた。
それでも判る。私には。
『……ええ、判りました。』
ありがとう、こう云って彼は静かに目を閉じた。
『異能力──そして草木は夜を視る──』
間もなくして、静かな私達の間に、1発の銃声が響いた。
(治、そういうことって、どういう事?)
(……あー、あの事か。)
(テメェが何の説明もしねーから、俺達、全く理解出来なかったじゃねーか。)
(え? 判んなかったの? ぷぷぷ。)
(A、銃貸せ。)
(仕方ないなあ、説明してあげるよ。彼はね、前からシにたがりの
────
日本まで来て、漸く見た目がドストライクのAに出会って死ぬ決心がついたって感じかな。実際に、Aを見る目が少し違ったろ?)
(……首領って、皆
(それ以前にテメェ、18だろうが。幼女って云われる事に抵抗無えのかよ。)
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こおりざとう(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!お返事が遅くなり申し訳ありません…!ギャグ系のお話を書くのは苦手意識があるので、楽しかったと言ってもらえると、凄く嬉しいです! (2017年12月28日 22時) (レス) id: f96c6ac768 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^ヒロインのノリ&ツッコミ、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年12月20日 0時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - haruさん» お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて、とても光栄です! 更新頑張ります。 (2017年1月1日 2時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
haru - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2016年12月27日 9時) (レス) id: 6436e63b4f (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - あいかさん» コメントありがとうございます! このコメントが、今年のクリスマスプレゼントになりました(笑) 更新頑張ります!! (2016年12月27日 0時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こおりざとう | 作成日時:2016年10月4日 1時