おさかなたべたいよ〜[気象NO] (ページ47)

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キスは、無意識だった。
おーちゃんの唇に触れたんだって気づいたのは、キスした後で、慌てて離れて、｢ちっちが！これは！｣て慌てるおれに、

おーちゃんはまた笑って、両手でおれの頬を捕まえる。

そのまま砂浜に押し倒されて、キスをした。

─おーちゃん、好き。

大野さんからの返事はなかった。

｢ニノはあの頃と顔変わんないよね｣

｢そんなことないでしょ。目尻の辺りとかシワできてるもん｣

｢OLみたいなこと言ってる｣

ほら、ここって見せると、腹抱えて智が笑う。変わんないよって。

｢かず、おれのこと、まだ好き？｣

いくつになっても、こうやって甘えるこの人に、思わず頬が緩んでしまう。

…何言ってんのって、知らないフリするのもできるけど、智の目がそれを許さない。

｢………すきだよ｣

満足そうに笑った次の日。
智が居なくなってしまった。