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06-6 ページ42
｢ならない。…おれがアンタを見捨てることは絶対ない。ずっとない。
…だけど、おれがずっと、ずっとアンタを守ってやることは出来ない｣
涙を拭ってやる。
｢…他の人に、言っちゃいけないことじゃないの？｣
｢おれにくらいなんでも言いなさいよ｣
なんかおかしい気がするって、むくれる智が可愛い。
｢…みんな大人になっていく｣
｢あなたもちゃんとなってるよ｣
｢猫になってるのに？｣
｢猫にもなってるけど、ちゃんとお金稼いで生活してるじゃん。あなたも年相応に成長してるよ｣
智がおれの頬に指を滑らせる。
その手の上に手を重ねて、ぎゅっと握ってやる。
｢今日ね、智とすすきの原見に行った時のこと思い出してたの｣
手が冷たい。
唇を噛もうとするから、させないようにキスをする。
｢あなたはあなただよ｣
智はずっと強くて、おれなんか適わないくらい強くて、眩しくて、綺麗で、
おれの憧れなんだ。
｢おれもずっとおれだし、翔さんも、相葉さんも、潤くんも、ずっと変わることなんてないよ｣
智が、射抜くみたいにおれを見つめて、小さくため息を吐く。
｢……金継ぎしたマグカップ｣
｢え？｣
あれから、智は丁寧に金継ぎを施して、おれの不格好なマグカップは芸術作品に生まれ変わっていた。
｢一緒の部分はあるけど、全部変わんないことなんてないよ｣
ニノが欠けることなんてないんだよ
あの時の智の言葉との、不安になるくらい温度差を感じた。
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作者名：楽斗 | 作成日時：2022年10月18日 21時
