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04-2 ページ27
｢ツナチャーハンうめぇ、お米んめぇ｣
｢ツナチャーハンはあんたから教えてもらった飯だけど｣
｢ん、おれの母ちゃんの味｣
床から智を剥がして、とりあえず風呂に入れて、その間にツナチャーハンをつくった。
智が唯一作れてた飯。
今はね、もっと沢山のもの作れてるけど、ツナチャーハンだけは馬鹿みたいにクオリティが高い。
おれのはその真似っ子。
｢猫になるとき、なるなって分かるの？｣
｢わかんない。いつも突然なの｣
｢へぇ。大変だね？｣
｢ん｣
小さな口いっぱいに開いて、ツナチャーハンを頬張る。
｢今日は何時からだったの？｣
｢…二度寝して、起きたらなってたの。
喉カラカラだって泣きそうだった｣
｢にゃんって？｣
｢にゃあんって｣
お腹も膨れて、ふにゃふにゃ笑ってる智が、にゃんってまた鳴く。
｢ご機嫌だね｣
｢かずがいるもん｣
｢…ん｣
｢猫になるとね、なんにも出来ないから時間が長く感じて、音が響くから、独りだなあって思う｣
智が机にほっぺたをつける。
それやめてって言うのに、智はやめられない。
冷たい机に、頬が冷やされる感覚が好きらしい。
腕を伸ばして、少し濡れてる智の髪の毛をくしゃくしゃと撫でると、んふふって目を細める。
｢おかえり、ニノ｣
｢んふふ、ただいま｣
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作者名：楽斗 | 作成日時：2022年10月18日 21時
