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02-6 ページ15
帰りに、商店街のスーパーで野菜とか肉を買って、帰ってきたのは日が暮れた頃だった。
冷蔵庫に買ったものを入れていってると｢じゃ、早速｣って智が小麦粉をとっていってた。
｢…あ、智さ｣
｢んー？｣
｢部屋でやるの？金継ぎ｣
｢ん？うん｣
画材用の小皿にさらさらと小麦を入れて、少量の水を注いでパテで混ぜている。
｢………ここでやってくんない？｣
｢え、リビングで？汚れるって嫌がるのニノじゃん｣
智が目をぱちぱちさせている。
こいつは、たった数時間前に自分が猫になったことをもうすっかり忘れている。
｢うん…でもさ……不安だから｣
あんたがあの部屋に行って、扉を閉めたら、またあんたは人間の体を捨てて、猫になるんじゃないかなって。
あまりにも常識を飛び越えた出来事だったから、おれもほんとにあったのかなって不安になってくる。
智の頬に手を伸ばして、少しだけ触れる。
｢んふふ、ニノかわいい｣
｢なんであんたがいちばん呑気なの｣
｢新聞とビニールシート用意してくる｣
智がそう言って鼻にちゅうしてきた。
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作者名：楽斗 | 作成日時：2022年10月18日 21時
