Dear Destiny ~僕が見える君と~

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『何したの？』


「時間止めたの」


『え…止まったの？』




何が起きたのかも
ほんの数秒間で何をしたのかも
時間が止まってるのかなんて全く分からなかった。




「鐘の音聞こえる？」


『……そういえば』




さっきまで鳴ってたはずなのに
いつの間にか聞こえなくて
鳴り終わったのかな？って思ったけど
鳴り始めたばっかだった気もする…


でも鐘は不自然に傾いたまま…


やっぱり止まってる？





「分かってる？」


『…分かってない』


「下見て」


『あ……』




少し高い場所にあるこのチャペル。


眼下には街が見えるけど
行き交う人、車、何にも動いてない…



「ちょっとカフェに戻ってみようか」って
手を引かれてカフェに戻れば



コーヒーカップを傾けたままの人

ケーキを口に運ぼうとしてる人

友達とお喋りしてる人





『止まってる…』


「信じた？」


『信じた…』




でもやっぱりドッキリかもしれない…







「ドッキリじゃないよ。
今、世界中でこうして話せてるのは僕と君だけ」




口に出したわけじゃないのにそう言われて
お使いさんについてまた一つ知ることになる。




『ねぇ、前から思ってたんだけど…
私の考えてること分かるの？』

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