Dear Destiny ~僕が見える君と~

もう少しだけ ページ46

「なつき、その子のこと本気で好きなの？」


「好きだよ」




即答できるくらいには
君のことが好きだし大切に思う。









今日は仕事で人間の世界に来た僕とナツキ。


ナツキの手には
人間の名前がいくつか書かれたリストが入った封筒。


時間が来るのを待つ間そんな話になる。







「まさか、なつきが人間好きになるなんて」


「自分でも思う」


「はやく紹介してよ」


「……いいよ」


「なに？今の間」


「ナツキかっこいいから」


「その子が俺のこと好きになるって？」


「…ないね」


「ないよ。
それに…俺がわざわざなつきの好きな子を
好きになるわけない」


「でも…」


「なに？」


「かわいいんだよ？」


「……うわー」


「かわいいから好きになった訳じゃないけど」


「聞いてるこっちが恥ずかしいんだけど」




頭を抱えるナツキを不思議に思ったけど
そのあと真剣な表情で聞いてくる。





「で、どうすんの？」


「どうすんの？ってなに？」


「いつまで一緒にいんの？」


「…分かんない」


「いくら好きでも人間でしょ？
一緒には生きてけないよ」




そんなの自分が1番分かってる。




「そうだけど…それでもいい」


「今のなつきには酷だろうけど、人間じゃない俺らが
人間にそんな気持ち持っても無駄だよ」




その言葉は冷たいように聞こえるけど
きっと僕のことを考えてくれてのことで
優しさでもある。

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