2年B組な俺達。【♦︎A】 (ページ2)

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1話俺達の日常。ページ2

「あっ！オイA、数学の課題写させろ！」
「A俺も〜」

朝練を終え、2人よりも少し遅く教室に到着した俺を迎えたのは、クラスメイトであり部活仲間の御幸一也と倉持洋一である。

「別いいけど、何問か答え丸写しの所あるよ？」

それでもいいなら、とカバンから数学のノートを取り出し、俺は手渡した。「まじ助かった、昼パン奢る。」と倉持は慣れた手つきでノートを開き、俺の解答を移し始めた。

「ていうか、御幸まで珍しくね？こういうのやってくるタイプじゃん」
「練習終わった時までは覚えてたんだよ。風呂上がってからやろうと思って。そしたら沢村と降谷に捕まって…」
「あ〜〜〜、成程(笑)」

あいつら毎日練習終わりに御幸の事とっ捕まえてんな〜。
恐らくその後夜遅くまで付き合わされて、疲れて気付いたら朝だったんだろうな。御幸、同情だけはしとく。

「てかよ、前から思ってたけど、お前の字ってオンナみてぇに整ってるよな。」
「…褒めてんの？」
「あ？褒めてるだろ。」

…なんかあんまり褒められてる気しないんだけど。
だとしたら「オンナみたいに」って枕詞付けなくても良くない…？倉持くんはもっと素直に俺の事褒めれないの？？

「ははっ、倉持クンはツンデレだからな〜♡」
「てめ、！気色悪ぃ言い方してんじゃねぇ！」

相変わらず御幸には人一倍当たりの強い倉持。倉持曰く、「腹の底が知れねえクソ悪党」らしい。いや凄い言われようじゃん(笑)

俺のノートを写しながらギャーギャーと言い合い(というか倉持が一方的にだけど)する2人を横目に俺は1時間目の準備をしていた。が、ここで聞こえてきたクラスメイトの会話で、俺はある事に気付いてしまった。

「……ごめん、先にお前らに謝っとく。」
「え、何怖いんだけど…？」
「事の内容によっちゃあぶん殴る。」

眉を八の字にして苦笑いする御幸と、ノートを写しながら淡々と物騒な発言をかます倉持。さすが元ヤン…

「えっと〜〜、課題の範囲、ミスってた！」
「…あ？」
「…えへ」

流石に顔を上げた倉持が般若のような面構えで眉間に皺を寄せ、こちらを睨みつけている。…ご、ごめんって言ったじゃんか。

「てめえマジで…！！こんなとこでドジ発揮してんじゃねえ！！」
「痛っ！！だからごめんってば！！」
「…A、3人で仲良く怒られような♡」

…とまあこんな感じで、とっても楽しく平和な(？)日常生活を送れています。