夢現な恋模様5【浦島坂田船】

212華 ページ18

浦田 ｢嫌なのか？｣

『いや、嫌ってわけじゃ……ないんですけど』

最後らへんは小声になってしまった

浦田 ｢……ここ、だからか？｣

『っ！！』

私はその言葉につい、ビクついてしまった

浦田 ｢…………｣

『……すみません』

浦田 ｢いや、謝らなくていい
俺が悪かった、ごめん｣

『い、いえ！先輩は悪くないです、ただ……その』

浦田 ｢？｣

浦田先輩は不思議そうに私を見ている

『やっぱり、難しくて……』

私は先輩の顔が見れなくて、俯いてしまう

浦田 ｢……分かった｣

そう言ってスクっと先輩が立てるのが分かった

浦田先輩が帰るということが

浦田 ｢今日は帰るわ｣

『は、はい、ならお見送りの方を』

そう言って私も立ち上がる

浦田 ｢いや、見送りいらない｣

『でも……』

最後はお客様のお見送りをしなきゃいけばいないのだ

浦田 ｢見送りはいいからさ｣

『っ！！』

そう言って、私の口元に人差し指を当ててきた

いわゆる内緒ポーズってやつ

もちろん、唇には触れていない

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