.5話. ページ7
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「いやぁ いい人ですねAさん!」
「銀ちゃんアイツと結婚しろヨ!
玉の輿アル!」
「お前ら現金!!
すぐ手のひら返しやがって」
「銀さんもでしょ」
俺達三人は江戸の街を歩いていた。
依頼内容は極めて簡単だった。
ある手紙を地図に示してある場所に持っていくようにと。
簡単すぎて怖い。
「大丈夫なのかよこの依頼」
「まぁ 手紙届けるだけですし大丈夫ですよきっと」
「もし何か合っても金は前払いアル」
確かに金は前払いだった。
手紙を届けるだけのこととは思えない程の大金。
あの女がどうしてこんな大金を持っているのかが謎だ。
というよりあの女が謎だ。
「まだアルかぁ 目的地!」
「確かこの辺...」
前を歩いていた新八が立ち止まる。
その後ろを歩いていた神楽が新八にぶつかり、
その後ろを歩いていた俺が神楽にぶつかった。
「急に止まるなヨ!」
「帰りましょう」
「はあ?」
新八がぐるりと回って俺達を押す。
「帰りますよ 早く」
新八が見ていた先を見る。
そこに居たのは、暑苦しいのに真っ黒の制服を身に纏った人影。
とゴリラ。
ああ、あれを見たのかと納得した。
「あ 新八くーん!!」
遠く離れたところで手を振るゴリラ。
新八はギクリと肩を跳ね上がらせた。
手を振りながら走ってくるゴリラ。
を、いきなり出てきて蹴り飛ばすストーカー女。
ん??
「局長おおおおおおお!!!」
黒服の男達が叫ぶ。
電柱に激突したゴリラは砂埃で見えなくなった。
「はじめてのおつかいのビデオ撮ってるんです邪魔しないで貰えますかストーカークソゴリラ」
「てめぇもストーカーだろうが」
片手にビデオカメラらしき物を持ちながらゴリラに蔑む目を向けるストーカー女。
勿論カメラは俺に向いている。
有無を言わさず女が手に持っていたカメラを木刀でたたき落とした。
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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年2月18日 7時