.2話. ページ4
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「銀ちゃんとうとう犯罪起こしたアルか」
突然真後ろから聞こえた声に振り返る。
そこには酢昆布をクチャクチャとくわえた神楽と犯罪者を見るような目の新八が居た。
「いや明らか不法侵入はコイツだから」
「ヤバいヨ新八
女の着物の裾掴んだ奴が何かぬかしてるアル」
先程背負い投げの時に掴んだ着物。
案の定胸元ははだけていて、弁解のしようがない。
「いやいやいやいやこれは違うからね
断じて違うから!」
「神楽ちゃん 暫く僕の家に泊まろうか
姉上も喜ぶよ」
「ちょっと待ってぇ!?」
俺の話を聞こうともせず神楽を連れて万事屋を出ていってしまった新八。
ぽつんと取り残された俺は溜息を吐いてソファーに腰掛けた。
いきなり引っ越してきていきなりストーカーになることあるか?
しかもなんで俺の名前知ってんだよ。
つか誰なんだよおおお
「坂田さん心の声ダダ漏れです」
突然聞こえた声に振り向く。
女はいつの間にか起きていて着物を整えていた。
「大丈夫です 危害はありません
坂田さんのストーカーなだけです」
「いやそれが被害被ってんだよ」
考えているのが馬鹿馬鹿しくなった。
大きく溜息を吐いて女を見た。
「座れ」
ソファーを指差すと、素直にちょこんと座った。
真顔で俺を見たかと思うと、ふにゃっと笑顔になる。
それの繰り返し。
頭をガシガシと掻いて再び溜息を吐いた。
「何 どうしたいのおたく」
「坂田さんと結婚したいです」
「無理」
「じゃあ付き合いたいです!」
「それも無理」
「なら結婚」
「耳糞詰まってんのかてめぇの耳は!!」
息が上がると疲れる。
勢い任せに叩いた机はミシッと音を立てた。
「つか誰なんだよてめぇは
なんで俺の事知ってんだよ」
「回想要りますか?」
「要りません」
話が続かねぇ。
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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年2月18日 7時