Sm ページ6
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いつからこうなってしまったのか、私が何か志麻くんにしてしまったのかもしれない、分からない、何もかも。ただひとつ分かることがあるとしたら、志麻くんはもう私のことは好きじゃなくて、それでもまだ私は志麻くんのことが好き。
一緒に寝ていたのもやめた、おはようもおやすみも無くなった、休日一緒にゲームしたりお出かけするようなことも無くなった、ご飯を食べていても美味しいと言われることも無くなった。
『…志麻くん』
「なに」
ゲームをしている志麻くんは振り返る素振りも見せず、不機嫌そうな声で返事が返ってくる。邪魔をしてしまったようで申し訳なくも思う。
「何?何か用?」
少し苛立った様に振り返って私の顔を見る志麻くんにハッとする。
『志麻くん、…愛してるよ』
「…俺も」
一瞬煩わしそうに眉を顰めて、かつ面倒くさそうに返してくれる。そんなこと、思ってないくせに。なんて思う私も居るけれど、それでも自分もだと返してくれる志麻くんの言葉に幸せを感じてしまう自分が虚しかった。
痛む胸には気付かぬ振り。いつかまた笑い合える未来を夢見て、今日も眠りにつく。
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mi(まい)(プロフ) - 林です。嘘です。さん» 切ないお話を書きなれてないのでそう言って貰えて凄く嬉しいです、ありがとうございます( ;_; )! (2020年5月26日 17時) (レス) id: 0f8661bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
林です。嘘です。 - 3番目の切ない感じが好きです! バッドエンドとかが少し好きなので、私の好みでグッときました。 (2020年5月25日 2時) (レス) id: aa4022e14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi(まい) | 作者ホームページ:http://twitter.com/muikrn
作成日時:2020年5月23日 3時