その後３ ページ17
「…なるほど」
ぽつり、そう呟いて
大雅は手を伸ばす
「え、」
外した視界の隅にその手を捉えて
私はそれを辿る様に再び視線を元に戻した
そこにあるのは当然、投げ捨てた布団
大雅はそれを手で手繰り寄せて
フワッ…と自分の体に巻き付けた
そのまま私を見つめると、
「おいで」
にっこり
目元を細めて、私を捉えて
そして布団の端を掴んだままその両手を広げて私を手招く
その意味を、理解するのに時間はかからなかった
「た、大雅」
また、顔が熱くなって固まってしまう
だって、つまり、そういう事で
付き合って、少しの期間
全くこういう事がなかった訳じゃない
それでも片手で足りるくらいしかないくらいに短い日数の名
大雅からはとても余裕を感じられるようになって
…なんていうかＳっ気が前面に出てきている気がする
にこにこと、楽し気な笑みで手を広げる
私を捉える瞳は逃げる事だってきっと許さない
だから、
「〜っ…」
照れ隠しに、何を発言したって同じこと
そう考えて覚悟を決める…なんて言ったら大袈裟だけど
嫌じゃない、むしろとても嬉しい
だけど嬉しいからこそ
好きだからこそ恥ずかしい
ゆっくりと、時間をかけて
まるで赤ちゃんがハイハイするかのように手をついて一歩ずつ近づく
おそるおそる手をあげて、大雅へと伸ばせば
「ぅわっ！」
「はい、摑まえた」
がばっと
布団ごと包み込むようにその手を背後に回して
そのまま抱き寄せられる
一気に大雅の熱と香りが広がって
心臓はこれまでの比じゃない程に跳ねあがった
「た、たい…」
「A、あっつい」
「！ だ、だって大雅が…」
ふは、なんて笑いながらからかわれる
耳を掠める低い声に肩を震わせて
強く強く抱きしめてくる腕に
私もそろりと両手を大雅の背後に回した
大雅は少し笑ってから、はぁ、なんて区切りの様に溜息を吐いて
「寂しい思いさせてごめん」
「！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白木里沙(プロフ) - ももたさん» 返信ありがとうございますー!! 小話…楽しみです＞＜ 頑張ってください!!! 動画とこの小説でキュン死したのは内緒ですよ(( (2017年8月22日 0時) (
レス) id: 69bdcdfefa (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - 白木里沙さん» 何と…嬉しすぎるお言葉の数々…こちらが泣きそうです(笑)そしてちょうどこのお話の小話を考えていた所でした(＾＾)思い入れの深い作品ですのでこうしてコメント頂ける事がとても嬉しいです！まだまだ頑張りますね！ (2017年8月22日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
白木里沙(プロフ) - コメント失礼します…。 もう、なんていうか、神ですか…!?ッて言うほど面白い作品でした!!途中で涙してしまって…。でもハッピーエンドでよかったと思います!!! ポッキーさんへの愛が…伝わってきますね…興奮が収まりません…!!ｗ 長文失礼しましたm(_ _)m (2017年8月21日 20時) (レス) id: 69bdcdfefa (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - 天さんさん» 長いコメント、むしろ嬉しすぎました！ありがとうございます(＾＾)ポッキーさんは本当に書くのが楽しくて…今書いてるのはポキさんの他に2人YouTuberが出ていますが…いずれまたポキさんメイン書くと思うのでその際はまたよろしくお願いします！本当に嬉しかったです！ (2017年8月2日 23時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 本当にさっきから溢れんばかりの気持ちで語りたりません←結局３回もコメントしてる始末です…(￣▽￣；)この作品を読めてよかったです。長い感想でしたが、最後に、完結おめでとうございます。そして、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2017年8月2日 5時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももた | 作成日時：2017年6月10日 1時
