平 均 点 下 恋 愛【赤司征十郎】

たった一言 ページ19

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赤)｢なにやってるんだ、風邪をひくぞ｣




ぼんやりと立ち止まっていた私は、赤司君のその言葉で我に帰る




『あ、や、傘をね、とりに･････』




刹那、私を打っていた雨粒が無くなって



赤司君との距離が近くなった




赤)｢電話でもすればいいのに｣




赤司君が、はい、と言って渡してくれたのは



『私の傘…』



赤)｢机の横にかかっていてね｣




にこ、と笑ってくれて




あぁ、隣の席でよかったなぁ


あぁ、同じ委員でよかったなぁ




じわじわ、じわじわ、胸を締め付ける




"彼女"の立ち位置である、赤司君の傘の下に、



今、私がいる




その事実が、幸せ過ぎて



一気に体温が上昇して




湿った服が、気持ち悪かった




赤)｢綾瀬、他の人は?｣



『あ、そこの公園で待ってて貰ってるの！』



赤)｢そうか…。
　綾瀬は寒いだろ?先、戻っていていいよ｣




赤司君のその優しさに、きゅんとしながらも




『ううん。私も行く。荷物いっぱいだし、手伝うよ』



赤)｢…そうか、…じゃあ、取り敢えず、これ｣




ふわり、




柔らかい、その質感の正体は




『タオル…?』




赤)｢あぁ。使ってないから、綺麗だよ｣




…役得すぎる。





(今、ここで、何を言おう)



(一言が、重くなってしまわないよう、)



(楽しく、楽しく)



(でも、好きの感情は)



(募るばかり)

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