【twst】真鏡の瞳III

同郷のあの子 ページ9

学園長先生から電話？
珍しいなと思い、ニコール目で応答をタップする

『はいもしも』

《大変です！！あなたと同じニホンです！！》

『……はあ？主語が足りてな』

《私が連れてきた新入生がです！！》

プツン。

動揺のあまり電話を切ってしまう
そしてしばらく目の瞬きを何回も繰り返す
正直、何も考えられなかった

そのまま立ち尽くす

『……えっ！？』

えっ。学園長先生が連れてた新入生って
あの子だよな！？懐かしさがあるあの子！？
あの子が？日本生まれだって？

すると二回目の電話にハッとする
あやっべ電話切ったんだった

『すんません今どこに！？』

《鏡の間です！！》

電話の相手はもちろん学園長先生で
居場所を聞けたらすぐにそこへ全力で走った

しかし向かう途中もまた、何も考えられなかった

何故、あの子がこの世界に来れたのか
何故、よりにもよって生まれが日本なのか
何故、あの子が私を見た時に酷く動揺していたのか

とにかく着くまでただただ走り続けた


そして鏡の間まで来ると
乱暴に大きな扉の音を立てて開けた

『が、学園長先生！！日本生まれってマジですか！！』

学園長「あぁAさん！マジです！！」

ま、マジか…よもや同郷の人が居るとは…
しかもあの子女の子だぞ！大丈夫か！？
いや私は大丈夫だがな！？

ここは男子校だぞ！？まあ私は両性だが！！

学園長「それでAさん、あなたを呼んだ理由ですが…」

『えっ？あ、あぁはいはい！優しい学園長先生の事ですから学園に泊めてあげるんでしょう？
私の時と同じように』

学園長「はい！察しが良くて助かります」

あぁたったひとりだけど
シーエラー寮に寮生が出来るのかあ…

あれでも、この子闇の鏡さんに魔力ないって言われてたよな

『でもこの子、魔力がないんですよね？
泊めることに問題はないんですけど、生徒として迎えるんです？』

学園長「あぁいえ、雑用係としてい」

──「あ、あのっ！待ってください！！」

本当は話の中心であるあの子が叫ぶ

あぁしまった。あの子も話に入れるべきなのに、
勝手に話を進めてしまっていたな

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