【twst】真鏡の瞳III

グリム様の夢 ページ13

私よりもグリム様に心を開いている
カノエさんの質問に彼が答える

グリム「単純な話なんたゾ。
オレ様が大魔道士になるべくして
生を受けた天才だからなんだゾ！」

ふむ…憧れから来ているわけではなさそうだ
それに理由としては曖昧のような…

グリム「いつか黒い馬車が迎えに来るのを
オレ様はずっとずっと待ってた」

グリム様は目を輝かせそう言ったが、
なのに……なのに…と落ち込んだ顔になる
しかしすぐに強がるように目尻を上げた

グリム「ふ、ふん！闇の鏡も見る目がねーんだゾ
だからオレ様のほうからきてやったってわけだ」

『なるほど…』

グリム「オレ様を入学させないなんてこの世界の損失だってのに、ニンゲンどもはわかってねーんだゾ」

大分、表現の仕方が壮大でいらっしゃるが…
そう思いながら適当に、そうなんですねと言う

それと思い出したかのようにタオルを渡せば
お！気が利くんだゾ！とお褒めいただく

『とりあえず…グリム様も何か食べられます？』

グリム「おっ！本当か！？」

タオルをから輝く目を覗かせるグリム様に微笑む

せっかく猫さんの方から来て頂いたのだから
このチャンスを逃さない私じゃないからな

『ええ、料理の残りもありますし…ご希望などあります？』

グリム「ツナ缶！美味いツナ缶がいいんだゾ！！」

『ふふ、ご用意しますのであちらのテーブルでお待ちくださいな』

そう言えば被っていたタオルを飛ばす勢いで
高速にテーブルへ向かったグリム様

やっぱり猫じゃないか。
後でイデアさんのとこにも連れて行こ

でもまずは学園長先生からの許可を貰わなきゃな…
あ、そうだ。あの時の恩を使うなら今だよな

んふふ。と上機嫌になる私を
先程からジーッと見つめるカノエさん
まあ彼女の言いたいことはおおよそ分かる

『学園長先生に報告しないのか、と言いたげな顔をしていますよ』

カノエ「！！ す、すみませ」

『あぁいえ！責めているわけではありませんよ
私はただグリム様の悲願を叶えて差し上げようとしているので、ご心配なく』

本当は普通に猫を飼いたいだけだが。

グリム様ならあまり手間も掛からなさそうだし
食費もツナ缶でいいって言うなら安いもんだ
これから開店もするからカノエさんもグリム様も余裕で食わせていける

それにグリム様居たらリーチ双子が面白がりそうだしな

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