【銀魂】階段から落ちたら最推しに出会った【坂田銀時】

31話　もうしわけない ページ34

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『…………………………………え』









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私は返す言葉が無く、頭が真っ白になった。


ただ、山里中さんの発言に驚いているようで驚いていなかった。


きっとわかっていた事実。


忘れたかった現実のはなし。







［人には帰る場所がある］







たとえどんなに遠くへ出かけても、


人は必ず家に帰るものだ。


学校や会社、


数日間の旅行、家出をしたとしても。


どんな場所へ行こうが人は必ず帰る。


帰らなければならないものだ。









山里中さんは過去の記憶を探るように言った。


う「えぇ〜っと……学校でもAちゃんの話題でもちきりだったよ？


ずっとAちゃんの話ばっかり。


朝のホームルームでアンケートとか配られたり？


何か知ってることはないか〜だって。


でもうめみその時はここにいるなんて知らなかったからアンケートに情報かけるわけないよ？


あ！警察も動いてるみたいだった〜。


そうそう、テレビのニュースにも出てたんだから！


あぁうめみはどうやってここに来たのかっていうのはね、


ネットで見つけた二次元に行く方法ってのをやってたらたまたま成功したんだよ〜


すごいでしょ！！！？」


目の前でうめみはニヤニヤこちらを見ていた。


その余裕ぶりにいらつきはしたが、


言い返すための返事は全く出てこなかった。









私は昔から心配されるのが少し苦手だった。


特に両親に。


家族とは不思議なもので


ほかの家族とか人それぞれだろうけど、家族のことを


好きでも嫌いでも、


人生で必要な存在だということを知っている。









たまにテレビでやっている行方不明者を探すという特番。


良心が痛む人は多いだろう。


私だって家族が心配するだろうなって思ったことある。


今まさに両親がそんな状態だなんて考えたくもなかった。


私の気持ちに何という言葉が合うのかは言い表せない。


言えることは


もうしわけない


という気持ちでいっぱいなことだ。









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