側近は電脳少女

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はじめこそ戸惑い、口を利かなかった中也も、次第にメルロをまともに扱い始めた。



中「おぅ、朝から元気・・・まぁ、当たり前か」



中「明日の朝、5時に起こしてくれ」



彼は彼女と会話をするようになった。


そして、変化はメルロにも見られた。



人工知能は環境により成長するのだろうか。


メルロは機械ではあるものの、中也を慕い、自分の考えを話すようになった。


『・・・あの、主にお願いが・・・』


中「あ？」


『このゲーム、一回だけ・・・1回だけやって見たいです』



そう言って彼女が画面に写したのは、無料ゲームアプリの体験版だ。


普段おとなしい彼女の珍しいしおねだりだ。



中「やってみたいのか？」


『1回だけ・・・ダメですか？』


勿論中也は理解している。

メルロが機械であることも、画面の中の存在だと言うことも。


中「ならいいぜ。インストールして遊べ」


『良いですか！』


パアッと笑顔になる。
その笑顔を見ると、良かったと感じる。


中「あぁ。好きにしろ。仕事はしろよ」


『はい！もちろんです！』



メルロが側近になってから約半年。



中也はメルロを信頼するとともに
・・・・・・彼女に甘くなっていった。




中也に絶対的に忠実な人工知能メルロ。

そして、そんなメルロに甘い中也。



そんな少し変わった主従関係が、四年も続いているのである。



今となっては、中也は側近はメルロ以外に考えられないほとに彼女との仕事に落ち着きを感じている。

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