側近は電脳少女

データ41 ページ43

メルロに戻る。
今朝の彼女の決意は、2人の言葉に打ち砕かれた。



与「医者としては、その案は却下だね」


太「私も同感だよA」


はっきりと、太宰と与謝野は言葉を告げる。


『・・・なんでですか？』


与「今のアンタは至って健康だ。不思議なもんでね。でもねぇ、ずっと異能を使い続けるなんて身体に負担がかかる。必ず壊れる時が来るよ」


『・・・それは・・・そうですけど・・・』


太「私も先生と同意見だ。君がメルロになってから壊れてしまったら最後、それこそ関与する全てのネットワークに何らかの障害が起こるだろう。そろそろ止めることをお勧めするよ」


普段のふざけた様子はなく、太宰は至って真剣だった。

その本心からの言葉を否定なんて出来ない。


『それじゃ、人間として過ごすしか、選択肢残ってないじゃないですか・・・』





太「中也に真実を告げるか告げないかは君次第だ。でも・・・もし行方をくらませたいのなら今度は私が手ほどきをするよ」



・・・行方をくらませる？

ダメだ。
それじゃ、変わらない。




あの時と・・・4年前と同じだ。


同じことを、今度は私がしようとしてる。



『あの、考えてみます』


与謝野と太宰の話を聞いた上で、彼女はそう答えた。



・・・同じ間違いは、しない。


彼をひとりにはしたくないから。

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