25こ目 ページ25
私は組合員の手中に収まってしまう。
気持ち悪くウネウネとしている割に、触手は硬く、力も強い。
「・・・フィッツジェラルドとの契約・・・果たす」
契約・・・？何の？
『離してっ！！』
全身でもがいても暴れても、このままじゃラチがあかない。
「連れて帰る・・・妖狐。約束・・・」
契約って、私を連れて行く事なの！？
ならこのままだ・・・組合にッーーー！？
フィッツジェラルドの好奇心に満ちた目つきを思い出し、ゾッとする。
『嫌っ！行かないッ！！異能力ーーー『月詠の化け狐』』
私の周りを緑色の閃光が囲む。
頭部に目立つ獣耳
顔には紅い紋
大きな獣の尾
昔話にでてくる・・・・・・狐の半妖。
夜の月明かりに照らされたこの様は、まさに月詠の化け狐。
妖狐になれば身体能力は格段に上がる。
爪だってーーー鋭い牙みたいになる。
私を掴む触手を、その鋭い爪で思い切り引っ掻いた。
ーーーーグシャアッ！！！
ーーーギシュッ！！
片足は攻撃を受けたけど、爪で触手をかっ裂いて解放された。
次いで体に巻き付いた触手をザックリと切り裂いて、私は戻る。
太「その姿を見るのは、2回目だねぇ」
中「手前、その格好・・・」
想像もしなかったのだろう。
私が半妖だったなんて。
中原中也は目を見開いて私を見てる。
中「・・・手前が化け狐か」
『そうですよ。驚きました？』
中「あぁ、まあな」
太「言いたいことはあるだろうけど、2人とも、今はアレをどうにかしよう」
太宰さんの指先には、私がグシャグシャにした敵が再生して、バケモノのようになっていた。
『うわぁ』
自己再生機能つきですか。
太「ねぇ中也、彼に私の異能無効化は通じない。Aちゃんの異能でも自己再生される。このままではみんな仲良く死ぬしかない。残った手段はひとつだと思わないかい？」
最後のの手段・・・？？？
中「手前まさか・・・汚濁をやる気じゃ？」
汚辱・・・？
よく分からないけど、太宰さんはいつもと変わらずニヤニヤしてる。
太「選択は任せるよ」
けど、目つきは真剣そのものだ。
中「手前がそれを云う時はなァ、いつだってそれしかねぇんだよ！」
それだけ言うと中原中也はひとりバケモノの元に向かった。
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出雲(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます！太宰さんは何でも分かってそうだって印象です！次回も頑張ります！ (2017年8月26日 16時) (
レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - お疲れ様でした！太宰さんが些細な会話に違和感を持っているところが流石だなと思いました！ありがとうございました。次作も頑張って下さい！ (2017年8月26日 12時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - 梅雨風夏さん» コメントありがとうございます！今回は個人的に伏線を多く使ったつもりでした！なので伏線について評価してもらえるのはすごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2017年8月25日 21時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨風夏(プロフ) - 完結、おめでとうございます！伏線の貼り方が迚も上手で驚かされました！これからも頑張ってください！ (2017年8月25日 21時) (レス) id: 306f9f397d (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 分かります！私弟いるのですがもう生意気で生意気で…。でも敬語外した敦君みたいな弟ならうぇるかむ!です！ (2017年8月25日 11時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：出雲 | 作成日時：2017年6月28日 9時
