１０こ目 ページ11
正気に戻った敦がその場にヘタリ込む。
この異能力ーーー何？
？「太宰さんの新しいお友達、ずいぶん壊れやすいんだね」
いつの間にか列車に移動していた男の子が楽しそうに云った。
何？知り合いなの？
？「けど、いいんだ。太宰さんを壊す楽しみが残ってるもの☆」
太「それはおめでとう」
久しぶりに聞く黒い声。
いつもと違う、低くて、怖い声。
？「ぼくを閉じ込めたお礼にいっぱい苦しめてあげるね」
・・・？閉じ込めた？
太「よく覚えているよ。君一人封印するために大勢死んだ。けど、次は封印などしない。心臓を刳り貫く」
・・・もしかしてマフィア時代の関係者なのかもしれないわ。
？「ふふふ。また遊ぼうね太宰さん☆そこのお姉さんも遊んでね」
男の子はそのまま列車に乗り、去って行った。
辺りは少し崩壊してしまったけれど、幸いなことに、ナオミさんも春野さんも大事に至ってはいないみたい。
太「大丈夫かい？Aちゃん？」
『ええ。大丈夫じゃないのは・・・片割れの方みたいだわ』
私の視線の先には敦。
状況を察した敦は・・・自分を責め続けている。
その様子が・・・過去の自分と重なった。
太「行くよ敦君、立つんだ」
太宰さんが呼びかける。
けれど、敦は答えない。
敦「ダメだ。僕はダメだ・・・生きていちゃいけなかったんだ・・・」
『・・・あつ「敦君」
太宰さんは名前を呼ぶと、思い切り敦の頬を引っ叩いた。
太「君から過去を取り上げる権利は私にはない。だが、偶には先輩らしい助言でもしようーーーーー自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ」
・・・終わりなき悪夢。
その言葉が、私の心にのしかかる。
私にとっての、重い、思い、言葉。
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出雲(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます！太宰さんは何でも分かってそうだって印象です！次回も頑張ります！ (2017年8月26日 16時) (
レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - お疲れ様でした！太宰さんが些細な会話に違和感を持っているところが流石だなと思いました！ありがとうございました。次作も頑張って下さい！ (2017年8月26日 12時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - 梅雨風夏さん» コメントありがとうございます！今回は個人的に伏線を多く使ったつもりでした！なので伏線について評価してもらえるのはすごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2017年8月25日 21時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨風夏(プロフ) - 完結、おめでとうございます！伏線の貼り方が迚も上手で驚かされました！これからも頑張ってください！ (2017年8月25日 21時) (レス) id: 306f9f397d (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 分かります！私弟いるのですがもう生意気で生意気で…。でも敬語外した敦君みたいな弟ならうぇるかむ!です！ (2017年8月25日 11時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：出雲 | 作成日時：2017年6月28日 9時
