側近は電脳少女 ２

データ44 ページ46

どれだけの時間を抱きしめていたことだろう。


しばらくして、ゆっくりとAが顔を上げる。




『森さんから情報部の担当を任されました。私はマフィアの人間です』


その柔らかい笑みを、どれほど望んだだろうか。
太宰の拘束された姿に、100億の名画にも勝ると評したが・・・


コイツの笑顔はそんなもんの比にもならねぇ



『今の私は特務課との取引により、許可なく異能を使えません。こんな私でも・・・まだ、あなたを好きでも良いですか？』




真剣な眼差しに、目を出来ない。




上目遣いで、顔も赤くて・・・

本当に愛しくてたまらねぇ。






・・・答えなんざ決まってる。





中「当たり前だろッ！」


Aの顔を抑えるように、
赤く染まった顔を見せないように、抱きしめる。


中「連れ出してやれねぇ分ありったけの愛に溺れさせてやるッ・・・もう勝手にどっか行くんじゃねぇッ」





『・・・はい』




小さな返事に満足して腕を緩めると、俺と同じくらい顔を赤く染めたAが微笑む。



『私は、もうどこにも行きません。大好きなんです。中也さんが』





その言葉が引き金となり、お互いが顔を合わせる。
そして、どちらともなく互いに顔を近づけ・・・




2人きりの室内で、



２つの影が、重なった。

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