久遠のカラフルイヤーズ16 (ページ35)

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『遠慮しなくていいのに』

あ、じゃあ今から厨の方に行って何か作ってこようか…あ、いや待って…私の料理より光忠君達に頼んだ方がいいかもしれない…何なら透君達の方が上手な気が…

「じゃあお願いしようかな」

聞いたところによると、卵焼きが絶品な様で

『なぬっ!?だ、だだ誰情報ですかっ!?絶品だなんてとんでもないっ;;』

皆は好きな味だって言ってくれてるけど;;

『リクエストされちゃったから作ってくるけど…ものすごく美味しいものを想像しちゃダメだからね!?;;』

そう言い厨の方に行ったのが数十分前…今、卵焼きやら何やらを持って戻ってきていた…光忠や小豆と共に

『作りに行ったけど、光忠君作の美味しい卵焼きに挿げ替わりました』

「んん?どういう」

―あれ?主どうしたんだいこんな時間に卵焼きを作って―

―ゆうげがたりなかったのか?―

―あ、光忠君と小豆さん…ううん、透君達におつまみ作るんだけど、卵焼きをリクエストされて―

―そうなんだ…うん、やっぱり主の卵焼きは美味しいね…ほら、小豆さんも―

―あつきーおふろ…あ!おいしそうなものをたべているのだぞ!―

―謙信君も日向君もあーん…主が作ったものだから美味しいよ―

―あるじの…!おいしいのだぞ―

―うん、やっぱり主の料理は美味しいね―

―食べちゃったから僕が新しいの作るね―

『ってことがありまして』

他のおつまみも小豆さんと光忠君が作ってくれたものだから美味しいよ!

卵焼きのお皿を持ってはいるが、これは自分ではなく光忠が作ったものなのだと

厨に行くとだれもいなかったが、卵焼きを作り終えたところで光忠達が来て卵焼きはきれいさっぱり光忠達のお腹の中に収まってしまったと

そして、ほかのおつまみも全て彼らが作り上げてくれたらしい

「あ、ありがとうございます」

目も口もちゃんと笑っているのだがどこか圧を感じる笑顔に流石の安室もタジタジだ

受け取るときに苦笑いになってしまったのは仕方がない

「主さまー歩美ちゃん達がお風呂に入るからと探していましたよ」

『あ、毛利君探しに来てくれてありがとう…じゃあお風呂に行ってきます…楽しんでね!』

毛利が呼びに来てくれたので一緒に戻っていったA

「ダメだよ、主は“僕たちの”主だから」

月明りをバックに若干逆光気味だが、光忠の瞳がキラリと光る様は良く見えた
鶴丸と似た蜜色の瞳が…

一瞬鶴丸のあの雰囲気を彷彿とさせた

「みつただ」

「大丈夫、お客さんには何もしないよ」