久遠のカラフルイヤーズ15

712色目 ページ13

「事情を説明して今萩原刑事が追ってくれてるわ」

「大丈夫ですか?顔色が悪いですね」

「紅茶でも出しましょうか」

飲んだら少しは落ち着くと思うので

『ごめんね、ありがとう』

「アイツ意外と逃げ足早いんだな、今捜索に加わってる俺の知り合いの刑事に連絡入れといたから」

紅茶を飲んでいると、戻ってきた萩原が済まないという風に事務所の方へと入ってきた

『いえ!そんな…済みません…お手数をおかけして』

萩原さんと透君もわざわざごめんね

「!!透…君…」

「ブッ…!!」

「主さん、完全に僕たちに接する感じになっちゃってますよ」

『…あ!?ご、ごめんなさいっ;;つ、つい;;』

安室はあの顔…ベビーフェイスなのでさん付けではなく君付けの部類に入っているらしい

「あまり呼ばれない呼び方だったので驚きましたが、呼び方はお好きにどうぞ」

『ごめんね、ありがとう』

あ、これ透君に渡そうと思ってた菓子折り、よかったらどうぞ

積んである菓子折りの一つを取って安室に差し出すA

「ありがとうございます…気になさらなくてよかったのに」

でも、有難く頂きます

『おぉ…!鶴丸君と同様の可愛さだ』

「ブッ…!!か、可愛…い…!!」

先ほどから萩原は笑いを堪えてプルプルと震えている…が、堪え切れず少し笑っている

「大丈夫ですか刑事さん」

「いた、ちょっ!痛いって!悪かったって!」

その背中をニコニコした笑顔で摩る…のではなく、バシバシと叩く安室
その威力が強かったのか痛いと抗議が上がっている…が、止める気配はない

『仲良しさんだね』

和泉君と国広君みたいに仲良しさんだね

「そう…なんでしょうか;;」

「取り合えず笑えててよかったよ」

二人のやり取りを見て良かったと穏やかに見守る萩原

『忘れるところだった…園子ちゃんにもこの前のお詫びでお菓子どうぞ』

「ありがとうございます」

中身何かなー楽しみ

ね、楽しみだね

『阿笠さんたちのお家にも届けたいし長居して蘭ちゃん達が標的にされてもアレだから行くね』

「一緒に行きましょうか?」

一人でも多い方がいいと思うんですけど

『え、でも悪いよ;;あの人に傷つけられる…かもしれないし』

蘭の申し出にそんなの悪いとブンブンと手と首を振って断るA

「(優癒子さんさっきから自分のことじゃなくて堀川君達や私達のことばかり心配してくれてる…とっても優しいし、なんだか可愛らしい人だから標的にされちゃったのかな)」

「だったらこのお巡りさんに任せなさい」

713色目→←711色目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す