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コンコンッ

「Aちゃん……大丈夫?」

学校に行かなくちゃ行けない時間まで、あと1時間くらい。
いつもならもう制服に着替えてリビングに来るのに今日はその気配がなかった。
Aちゃんの部屋に来てノックをしても返事がない。

「Aちゃん…?」

静かに中に入るとベッドの上にAちゃんがいた。
寝ちゃったんだね。

「起きて……Aちゃん…学校、だよ」
「…ん……アズサ…くん?」
「うん…Aちゃん来ない…から」

心配できた、と伝えたら、ありがとう、とまだ眠そうなやわらかい笑顔で言われた。
かわいい笑顔。
Aちゃんの笑顔が向けられると嬉しい。
自分に傷をつけるより安心する。

「Aちゃん…不思議」
「私が?」
「Aちゃんと…いると……傷つけたいって…思わない」
「ほんと?なら嬉しいなぁ…いくらアズサくんが喜ぶことでも傷はつけたくないもん」

傷をつけたくないって思えるのは、多分、この笑顔がずっと見ていられるから。
1回だけ、傷つけたことがある。
その時Aちゃんは、怒ってくれた。

『自分を傷つけないで!私は自分を傷つけるアズサくんは好きじゃない!』

あんな事言ってくれたのは、彼女が、初めてだった。

「アズサくんは、どうして傷をつけたいの?」
「俺が傷つけば…皆……喜んでくれた…から」
「皆?」
「うん……ジャスティンたちは…俺を殴って、俺が血を流すと…喜んでくれた。だから…「そんなの」」

俺を遮って話したAちゃんは俯いてて、表情は見えない。
でも、強く握った手は震えていた。

「そんなの、そのジャスティンたちがよくっても、アズサくんは痛かったでしょ?最初は嫌だったでしょ?!それなのに…そんな受取り方しちゃダメ、彼らのやったことは、正しい喜ばせ方じゃない。
……アズサくんだって人間だったんだ。痛みはある。お願い、傷つくことを喜ばないで」

強く俺を見つめてそう言ってきた。
強い瞳の奥には悲しみが見える。
前に話してくれたAちゃんの過去。
その話を聞いた時、辛かった、Aちゃんのお母さんを許せないって思った。
それは、今の彼女と同じ気持ち?

「Aちゃんは…本当に…不思議……。Aちゃんのことは…傷つけたく…ない。泣かせたく…ない」
「それでいいんだよ。アズサくんをちゃんとした意味で必要と思う人は必ずいるから、ね?」

優しいAちゃんの声は、体温を感じない俺の心を、あたたかくしてくれた…そんな気がした。

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作品ジャンル:アニメ
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梔子(プロフ) - わらわらさん» コメントありがとうございます。行き詰まってしまっているのでたまに読み返してしっちゃかめっちゃかしてるなとはおもいます。笑 ただ、書き直すとかなり内容が変わってしまうのでもし読み進めていただけるのであればこのまま読んで頂けたらと思います (2019年1月8日 10時) (レス) id: f650fd1707 (このIDを非表示/違反報告)
梔子(プロフ) - れんすけさん» 返信遅れてすみません!もう少し文字数減らして読みやすい感覚にできるようにしてみます(汗) (2019年1月8日 10時) (レス) id: f650fd1707 (このIDを非表示/違反報告)
わらわら - 主人公イキり過ぎでしょw (2019年1月8日 10時) (レス) id: 091d3f1fea (このIDを非表示/違反報告)
れんすけ - 字が詰まってて読みづらいです… (2018年3月12日 15時) (レス) id: 4bd8d4113b (このIDを非表示/違反報告)
汐子 - まって苗字一緒www 宮野ww宮野ww (2016年10月23日 3時) (レス) id: 693e560875 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梔子 | 作成日時:2016年5月5日 16時

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