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Aが以前の世界でのことを話した翌日。
天気もいいし、Aと畑に行くことにした。
「あ…」
「ん、どうかしたか?」
Aの視線をたどるとそこにあったのは蕾の開いた花。
先月、Aが頼んできて植えた奴だ。
「よかった…咲いた」
「まだ小せぇけどな。あと二週間もすりゃ、いい感じだろ」
「そっか……綺麗に咲くといいなぁ」
コイツの嬉しそうな顔を見るのは嫌いじゃない。
まだガキっぽいとこのあるコイツは少し単純で、妹ができたみてぇだとさへ思ったことがある。
「……なぁ、お前、オレが昔の記憶がないって知ってんだろ?」
「…うん、一応、ね」
「昔のオレってどんなんだ?」
オレらのことを聞きたい、そう言ってきた時からオレ自身が聞きたかったこと。
昔のことなんか覚えてないオレからしたら話せることなんて何もねぇから。
Aが答えるのを待ってみる。
何を悩んでるのか、難しい顔をしていた。
けどそれも一瞬で、すぐに笑顔をオレに向けた。
「ユーマくんは今となんも変わんないよ」
「なんも?」
「うん、面倒見が良くて優しいところは何も変わってない。何があったのか…それを私の口から言うことは多分正しい事じゃないから言わないけど、ユーマくんは、今と同じで、お兄ちゃんみたいな人だったよ」
Aのその言葉に安心感を覚えたオレがいた。
どこか不安を抱いてたようだ。
「…ありがとな」
「ユーマくんがお礼ってなんか変」
「変ってなんだよ」
「そのままの意味〜」
Aを抱き締めたまま、互いに笑い合う。
照れたりしねぇんだなと思いつつも、素直に受け入れるコイツを抱きしめるのは心地がいい。
頭1個分くらい小せぇコイツが俺を見上げて自然と上目遣いになりながら楽しそうに笑う。
そんな姿がたまらなく愛らしく見える。
「っ!?ユーマくん!?」
すぐそこにあった額にキスをひとつ落とせば顔を真っ赤にした。
流石にキスは照れんだな。
「何でもねーよ。礼だ礼」
「お礼でキスなんてしないでよ!」
「別に唇にしたわけじゃねぇしいいだろーが」
まだ言わないでいてやるよ、この気持ち。
もし、イブに選ばれでもしたら、大変だしな。
お前だけは泣かせたくねぇから。
しばらくはおあずけだ。
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梔子(プロフ) - わらわらさん» コメントありがとうございます。行き詰まってしまっているのでたまに読み返してしっちゃかめっちゃかしてるなとはおもいます。笑 ただ、書き直すとかなり内容が変わってしまうのでもし読み進めていただけるのであればこのまま読んで頂けたらと思います (2019年1月8日 10時) (レス) id: f650fd1707 (このIDを非表示/違反報告)
梔子(プロフ) - れんすけさん» 返信遅れてすみません!もう少し文字数減らして読みやすい感覚にできるようにしてみます(汗) (2019年1月8日 10時) (レス) id: f650fd1707 (このIDを非表示/違反報告)
わらわら - 主人公イキり過ぎでしょw (2019年1月8日 10時) (レス) id: 091d3f1fea (このIDを非表示/違反報告)
れんすけ - 字が詰まってて読みづらいです… (2018年3月12日 15時) (レス) id: 4bd8d4113b (このIDを非表示/違反報告)
汐子 - まって苗字一緒www 宮野ww宮野ww (2016年10月23日 3時) (レス) id: 693e560875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梔子 | 作成日時:2016年5月5日 16時